Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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59 巻, 12 号
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展望
解説
  • 善 一章
    2010 年 59 巻 12 号 p. 448-451
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
    キャッシュフローは,案評価をするための基礎を形成するので工学経済において重要である.現在価値法は,全ての将来キャッシュフローを現在のドルに変換するので一般的であり,他の案と比べて優れる1案の経済的有利な点を容易に決定する.現在価値は,PW=FW(1+r)-N式から求められる;ここで,PW:現在価値,FW:将来価値,r:減価率,N:複利期間.係数 (1+r)-Nは現在価値係数として知られる.もし減価率がr%でPW,FW,AWに対して一定ならば,3者は等価である.従って,プロジェクトのAW値とFW値は等価のPW値から容易に求められる.
    本報では,異なる減価係数における現在価値係数の経時変化,PW値からFW値とAW値の等価計算例,PW法の港湾構造物への適用例を示す.
論文
  • 京 将司, 中森 正治, 黒川 一哉, 成田 敏夫
    2010 年 59 巻 12 号 p. 456-463
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
    近年,大容量化する微粉炭燃焼ボイラにおいては,より一層の環境対策が求められ,NOx発生量を抑制する設備対策ならびに運用面での低酸素燃焼運転がなされている.その結果,燃焼室では,酸素不足による強い還元性雰囲気となり,H2Sによる高温硫化腐食が顕在化している.それに加え,スラグの除去を目的とするデスラッガからの蒸気噴射の影響により摩耗損傷を与え,それらが複合的に作用して損傷が加速する事象が認められた.調査したボイラでの損傷挙動は,ボイラ蒸発管の表面に生成した腐食生成物は,酸化物と硫化物の混在した層と溝状腐食が認められた.これらは,ボイラ燃焼過程における燃焼状態の変化で,わずかな酸素および硫黄分圧の変化により酸化物および硫化物が生成する可能性が熱力学的にFe-S-O系平衡状態図より示唆できた.また,ボイラの運転に伴う,繰り返し熱応力とデスラッガ蒸気の間欠噴射によるメタル/蒸気の温度差により,スケール層が局部的に冷却され,圧縮応力によるクラックが生じ,スケール層の剥離ならびにガス通路が形成される.そのため,基材への腐食性ガスの侵入が容易になり,腐食を進行させ,局部的に加速したものと推定した.
  • 柴田 俊夫
    2010 年 59 巻 12 号 p. 464-467
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
    硝酸処理や硝酸+クロム酸塩溶液はステンレス鋼の不動態化処理に有効であることが知られている.しかしながら廃液からの窒素やCr6+は環境に有害であるため排水規制の対象となっている.本研究では代替処理法を開発することを目的として,酸素と水に分解するH2O2およびO3による不動態化処理法について研究した.不動態化処理電位に及ぼすH2O2およびO3濃度および不動態化処理温度の影響を検討し,不動態化処理後の耐食性を孔食電位測定によって評価した結果,SUS304およびSUS430ステンレス鋼の耐食性向上条件が見いだされた.
  • 松本 雅充, 岡田 信宏, 西原 克浩, 木本 雅也, 工藤 赳夫, 藤本 慎司
    2010 年 59 巻 12 号 p. 468-477
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
    55 mass% Al-Zn合金めっき鋼板の端面近傍に生成する腐食生成物を明らかにするため,めっきを研削して下地鋼を露出させた鋼板及び鋼とAl-Zn合金からなるガルバニック・カップル電極を,海洋大気環境を模擬した人工海水を噴霧液に用いた腐食試験に供試した.Al-Znめっきの平面部,端面部,端面近傍のめっき部に生成した腐食生成物をEDS,XRD及びFT-IRにより分析した.その結果,端面部には,NaZn4(SO4)(OH)6Cl·6H2O,CaCO3及びMg(OH)2からなる腐食生成物の析出を確認した.これらの腐食生成物の析出可能性を,溶解度積を用いた熱力学的によって評価した.これらの腐食生成物は高抵抗を有し電気化学反応を抑制するとともに酸素の拡散障壁とし作用して,腐食速度を抑制しうると考えた.
エラータ
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