腐食調査の結果,港湾鋼構造物は飛沫帯腐食と海水面下の集中腐食によって損傷する.腐食損傷によって強度が減少し,極端な場合,倒壊や全面閉鎖を伴う予期しない高価なメンテナンスを招く.有機または無機被覆法が飛沫帯に,電気防食が海水面下に適用される.
PW法を適用する時,初期建設コストを小さくしてその後のメンテナンス(補修+閉鎖)コストを増加させる案がある.この案では,予期しないメンテナンスコストの増加と安全性低下のリスクがある.メンテナンスに閉鎖が含まれる時,閉鎖コストは補修コストより大きくメンテナンスコストの減価計算を支配する.PW法の適用に際して技術と経済の面から初期コストとメンテナンス(補修+閉鎖)コスト間のバランスを検討する必要がある.
本報は,2章初期コストとメンテナンスコストのバランス,3章鋼管杭モデルへのPW法の適用,4章PW法適用時の問題点を考察する.
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