Zairyo-to-Kankyo
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60 巻, 7 号
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展望
解説
  • 善 一章
    2011 年 60 巻 7 号 p. 316-321
    発行日: 2011/07/15
    公開日: 2011/12/23
    ジャーナル フリー
    腐食調査の結果,港湾鋼構造物は飛沫帯腐食と海水面下の集中腐食によって損傷する.腐食損傷によって強度が減少し,極端な場合,倒壊や全面閉鎖を伴う予期しない高価なメンテナンスを招く.有機または無機被覆法が飛沫帯に,電気防食が海水面下に適用される.
    PW法を適用する時,初期建設コストを小さくしてその後のメンテナンス(補修+閉鎖)コストを増加させる案がある.この案では,予期しないメンテナンスコストの増加と安全性低下のリスクがある.メンテナンスに閉鎖が含まれる時,閉鎖コストは補修コストより大きくメンテナンスコストの減価計算を支配する.PW法の適用に際して技術と経済の面から初期コストとメンテナンス(補修+閉鎖)コスト間のバランスを検討する必要がある.
    本報は,2章初期コストとメンテナンスコストのバランス,3章鋼管杭モデルへのPW法の適用,4章PW法適用時の問題点を考察する.
論文
  • 青木 聡, 八鍬 浩, 宮坂 松甫, 酒井 潤一
    2011 年 60 巻 7 号 p. 328-332
    発行日: 2011/07/15
    公開日: 2011/12/23
    ジャーナル フリー
    本研究は二相ステンレス鋼のフェライト相(α相),オーステナイト相(γ相)の各相が示す溶解挙動を明らかにすること,および二相ステンレス鋼の腐食電位における優先溶解機構を各相の溶解挙動を通して明らかにすることを目的とした.片方の相を選択溶解させ,その部分を樹脂被覆することによりαγ相のそれぞれの単相から成る試料(α相試料,γ相試料)を作製した.α相はγ相に比べ,より卑な腐食電位を示し,また,より卑な電位で不働態化した.各相試料の分極曲線を足し合わせると,二相ステンレス鋼の分極曲線とよく一致した.二相ステンレス鋼は腐食電位においてα相が優先的に溶解していた.これらの結果から,二相ステンレス鋼の腐食電位における優先溶解機構モデルを各相の内部分極曲線を用いて提案した.
  • 岡田 信宏, 松本 雅充, 西原 克浩, 木本 雅也, 工藤 赳夫, 藤本 慎司
    2011 年 60 巻 7 号 p. 333-341
    発行日: 2011/07/15
    公開日: 2011/12/23
    ジャーナル フリー
    電解質溶液の液膜厚みが10~100 μmの場合の腐食速度は酸素拡散律速となる.更に液膜厚みが10 μm以下となった場合には液膜への酸素溶解速度が律速となる.このような薄液膜下におけるガルバニック腐食の数値解析モデルの開発を行った.このモデルでは,酸素のSalting-out効果,及び導電率,酸素溶解度と酸素溶解速度の温度依存性を考慮した.Fe/Znガルバニック電極を用いた塩水噴霧試験(SST)とサイクル腐食試験(CCT)を行い,ガルバニック電流の測定を行った.ガルバニック電流は,乾燥湿潤過程において最大値を示した.実測されたガルバニック電流は,数値解析結果と良く一致した.CCTにおける液膜厚みを数値解析により推定した結果,ガルバニック電流が最大となる液膜厚みは3~10 μmであった.
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