Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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61 巻, 2 号
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展望
解説
速報論文−第58回材料と環境討論会−
論文
  • 鳥羽 和宏, 阿蘇谷 利光, 川野 浩二, 酒井 潤一
    2012 年 61 巻 2 号 p. 56-63
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    NH4HSによる腐食に及ぼす内部流体の流れの影響を明らかにするために,実装置で腐食した配管エルボ内面の皮膜の解析を行い,併せてフローパターンや流動解析による流れの解析を行った.実機より採取したエルボは,背側中央部に最も激しい腐食を認めた.皮膜解析の結果,減肉が激しいエルボ背側は皮膜厚さが薄く,皮膜中のS分が少ないことから安定な硫化鉄皮膜が形成されていないことが確認された.3つのモデルを用いて流動解析を行った結果,気液二相流である当該内部流体は,いずれのモデルにおいてもエルボ背側の中央部に液体が集まることが判明した.これより腐食を認めた箇所と液が集中する箇所はほぼ一致した.また,エルボの背側と腹側のせん断応力を算出した結果,背側のせん断応力が高いことが示された.これらより,液体が集中しせん断応力の高いエルボ背側では硫化鉄皮膜を剥離しやすく,防食皮膜の形成が不十分であるために激しく腐食したことを明らかにした.
  • 松田 英樹, 坂本 明久, 林 眞弘, 三好 裕也
    2012 年 61 巻 2 号 p. 64-71
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    44ヶ月間実施した長期屋外ばくろ試験における外装建材用プレコート鋼板の耐食性は,上塗り塗料の膜厚,下塗り防錆顔料種,及び付着塩分量の影響を大きく受けていることが確認された.促進条件での耐食性評価として一般的に実施されている塩水噴霧試験及びCCT-JASO-M609による試験結果は,実際の屋外ばくろにおける試験結果と何ら相関性を示さなかった.エッジクリープ部断面を観察した結果,屋外ばくろ試験とこれらの促進試験とでは,腐食進行メカニズムが異なることが明らかとなった.これらの促進試験は,腐食生成物による防食効果が発現しにくい試験条件で実施されるため,屋外ばくろ試験の場合に比較して,めっき及び鉄からなる犠牲防食電池による防食効果が長期間継続することがその原因ではないかと推定している.
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