Zairyo-to-Kankyo
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62 巻, 4 号
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展望
論文
  • 鄭 楽薫, 土谷 博昭, 藤本 慎司
    2013 年 62 巻 4 号 p. 148-152
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
    SUS304ステンレス鋼に各種塩の希薄水溶液を塗布した試料を大気環境を模擬した相対湿度90%,60℃の恒温恒湿環境に保持し,不働態皮膜を光電子分光法にて解析した.不働態皮膜の厚さとCr濃度は微量塩類の影響を受けた.この環境中で,ステンレス鋼表面に生成する水薄膜の厚さは塗布した塩の飽和溶液の平衡相対湿度に対応して変化するとみられる.すなわち低い平衡相対湿度の塩を塗布した試料ほど厚い水膜を生成し,その結果Feの選択溶解が進行し,よりCr分率の大きな不働態皮膜を形成する.塩化物はCr濃縮を促進するが,高濃度となると局部腐食を発生した.塩化物を塗布した場合,生成する不働態皮膜は条件次第では高い耐局部腐食性を示すことがあった.硫酸塩もFeの選択溶解を促進するが局部腐食を生じることはなく,不働態皮膜は安定に成長した.
  • 小林 浩之, 審良 善和, 山路 徹, 濵田 秀則, 若林 徹, 望月 紀保
    2013 年 62 巻 4 号 p. 153-160
    発行日: 2013/04/15
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
    大気中の鉄筋コンクリート構造物に対するカソード防食の設計方法について検討した.これまで,厳しい腐食環境のためにカソード防食基準を満足しない施設に対しては,設計値以上の防食電流を供給することによって基準を満足していた.しかしながら,このような通電は,アノード周囲の水を急激に消費するため,直流電源装置の電圧上昇を引き起こす可能性がある.我々は,カソード防食による鉄筋表面の環境改善効果を,数値シミュレーションおよび電気化学測定によって検討し,新しい設計手法を考案した.そして,鉄筋腐食を伴ったコンクリート試験体を用いたカソード防食試験によって考案した設計法の検証を行い,その妥当性を確認した.本設計法により,経済的かつ安定したカソード防食の適用が可能となる.
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