強酸性(pH=1.6)の温泉水によるチタン製熱交換器の腐食について調査した結果を報告する.同じ温泉水に接する環境であっても,著しい腐食の生じた熱交換器と腐食のない熱交換器が混在していた.著しい腐食の生じた熱交換器では,負荷変動に伴う大きな温度変化が観察された.温度サイクルのかかるような実機環境では,チタンの腐食が加速する可能性がある.
一方,チタンの製造履歴により,表面に炭化チタンが含まれているチタンと含まれていないチタンが流通していることが分かった.同じチタンであっても表面状態が異なると実環境における耐食性も異なっており,熱交換器を作製する際には原料材の製造履歴を把握・管理する必要がある.
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