大気腐食試験法ACTE(Accelerated Corrosion Test for Electrical appliances,アクティ)は,被試験体の表面に塩分の付着を行なう塩分付着工程と,絶対湿度一定条件で温度と相対湿度を変化させて乾燥工程と湿潤工程を繰り返す乾湿繰り返し工程とで構成される.ACTE は,家電製品の腐食実態調査に基づき開発した試験法であり,クロメートフリー鋼板の適正な選択に役立つ. 本報では,ACTEをアルミニウム合金の耐食評価に適用するため,試験条件を検討した.(以下,Al合金の評価用に試験条件を検討したACTEをAl-ACTEと称する.)
Al-ACTEでは,実環境の温湿度測定結果および不動態化挙動をもとに,湿潤工程を20℃/95%RH,乾燥工程を35℃/40%RHとした.さらに,乾湿繰り返し工程の周期を4 hとし,試験促進率を高めた.
さらに,ADC12およびA1100に対してAl-ACTEを実施して孔食深さを測定し,大気暴露試験と比較した.その結果,Al-ACTEでは,A1100の孔食深さはADC12に比べて,付着塩分量の影響を受け易いことが判った.その傾向は,大気暴露試験でも同様であった.
よって,Al評価ACTEは,想定する環境に応じて,付着塩分量を考慮して試験することによりアルミニウム合金の大気腐食評価に適用可能と考えられる.
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