Zairyo-to-Kankyo
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68 巻, 6 号
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展望
技術資料
  • 広田 憲亮, 笠原 清司, 岩月 仁, 今井 良行, 大橋 弘史, ヤン ジングロン, 橘 幸男
    2019 年 68 巻 6 号 p. 137-142
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/11/27
    ジャーナル フリー

    配管内の硫酸流量,装置内での硫酸分解反応の発生,炉心管内の温度分布を把握するために,新たに高温硫酸分解ガス腐食試験装置を製作した.その上で,硫酸溶液の流速は,超音波流量計を用いて常時測定した.また試験装置の入口側におけるSO3濃度は,高温ガス炉水素コージェネレーションシステム(GTHTR300C)を想定した水素製造プラントでの硫酸分解容器入口のSO3濃度とほぼ同等となることを確認した.一方で,試験中に出口側の擦り合わせ部から硫酸漏れが発生した.そこで,流体解析により出口側摺り合わせ部の温度分布を調査し,出口側配管から0.05 m以上離れた位置では継手部の温度がフッ素継手グリースを使用するのに十分低い温度となることが明らかとなった.実際に改良された炉心管を製作し,出口側の擦り合わせ部で温度を再測定した.その結果,継手グリースの温度限界を下回る温度であり,流体解析における温度分布とほぼ同等となっていた.装置改良後,これまで硫酸の漏洩は一切発生していない.

論文 -第65回材料と環境討論会 講演大会論文-
  • 遊佐 碩典, 八代 仁, 熊谷 昌信
    2019 年 68 巻 6 号 p. 143-147
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/11/27
    ジャーナル フリー

    ナノ窒化物層の生成を期待して硝酸-硝酸塩溶液中でカソード分極(ECN処理)されたSUS445J1ステンレス鋼(通常材,微細化材)を,カーボンペーパー(GDL)との接触抵抗,分極挙動,表面の化学状態およびセパレータとして用いたときのPEFCセル性能の観点から評価した.この処理によってステンレス鋼とGDLとの接触抵抗は減少し,微細化材でより効果が高かった.分極試験の結果,処理前後で耐食性は維持された.XPS分析によれば,ステンレス鋼表面に窒化物のピークが認められ,導入された窒化物は微細化材でより安定していた.この処理を施したSUS445ステンレス鋼(微細化材)をセパレータとして単セル発電試験を行った結果,グラファイトセパレータを用いたセルに匹敵するセル性能を示したことから,窒化SUS445J1ステンレス鋼(微細化材)はPEFC用セパレータ材として極めて有用であると考えられる.

  • 白取 凌, 川村 翔磨, 八代 仁, 仁井 啓介, 井田 義明, 文珠四郎 秀昭
    2019 年 68 巻 6 号 p. 148-151
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/11/27
    ジャーナル フリー

    30 mass%硫酸溶液中におけるニオブの電解研磨挙動について,三電極式セルを用いてNbの電位を制御し,パルス時間の影響を調査した.電位パターンはカソードパルス(-3 V,tc),アノードパルス(+1 V,ta)及び休止時間(0 V,1 ms)から構成された.tctaの様々な組み合わせで試験した結果,研磨が進行するためにはtctaの両方が0.5 msより長い必要があることがわかった.研磨は各パルス時間が等しいときに効率的に進行し,tcta=2 msの条件で研磨速度が最大となった.表面観察の結果,研磨の初期段階で微小なピットが生成し,これらが成長・合体してマクロな凹面を形成することが示された.しかし,tcよりtaが短いと表面が鋭角的に荒れたことから,水素によるNb基板の機械的損傷が示唆された.このように,この研磨においては,tctaとのバランスが重要である.

  • 辻 湧貴, 奥山 遥, 柳本 はるの, 兵野 篤, 千葉 誠, 高橋 英明
    2019 年 68 巻 6 号 p. 152-156
    発行日: 2019/06/10
    公開日: 2019/11/27
    ジャーナル フリー

    高い修復能を有する金属防食用自己修復性塗膜開発のため,塗膜修復剤を内包する長球形状カプセルの合成を目指し研究を行なった.シェル前駆体であるプレポリマー溶液に熱処理を行うことで溶液を高粘度化できることがわかった.これを用い,かつ300 rpm程度の比較的低撹拌速度でカプセルを合成することで扁平率0.7-0.9程度の,大きくゆがんだ長球形のカプセルが合成できることが明らかとなった.

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