Zairyo-to-Kankyo
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69 巻 , 11 号
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展望
技術資料
  • 腐食コスト調査委員会
    2020 年 69 巻 11 号 p. 283-306
    発行日: 2020/11/10
    公開日: 2021/05/13
    ジャーナル 認証あり

    2015年における日本の腐食コスト調査を行ない,1974年および1997年の結果と比較した.3つの経済状況(成長期:1974年,変換期:1997年,成熟期:2015年)での調査は世界初である.2015年のUhlig方式での総額は4兆3千億円になり,GNIの0.78%であった.この総額は前回(1997年)の結果4兆6千億円の0.94倍,1974年の結果2兆5千億円の1.68倍となった.2015年と1997年の総額がほぼ等しいことから,それらは成熟期での直接的な腐食対策費およびその割合を示していると言える.腐食対策費の対GNI比は0.7~0.8%となる.Hoar方式での腐食対策費総額はおおよそ6兆6千億円でGNIの1.27%であり,この総額は,1997年(5兆2千億円)の1.27倍,1974年(1兆1千億円)の6.22倍であった.Uhlig方式では初期コストが中心に積算されるのに対して,Hoar方式ではメンテナンス費も積算対象となる.Hoar/Uhlig-比は1.13(1997年)から1.53(2015年)に増えている.これは,腐食対策でメンテナンスがより重要となっていることを示している.2015年の腐食コストは1997年のそれとはほとんど同じであるが,新技術を使うことで腐食コストパフォーマンスは前回(1997年)から今回(2015年)にかけて向上している.新技術―モニタリング,シミュレーション,データベース,AI,Risk Based Maintenance,など―は腐食対策レベル向上に効果があり,腐食コストを低減させる.

論文
  • 真中 智世, 堤 祐介, 蘆田 茉希, 陳 鵬, 片山 英樹, 塙 隆夫
    2020 年 69 巻 11 号 p. 307-314
    発行日: 2020/11/10
    公開日: 2021/05/13
    ジャーナル 認証あり

    塩化物イオン環境におけるZrの局部腐食発生を抑制する電気化学的表面処理方法を開発した.アノード/カソードサイクルによりZrの局部腐食を誘発する介在物の選択的除去を試みた.処理後の試料表面には介在物の溶解を示す浅いくぼみが観察された.高濃度のリン酸緩衝生理食塩水中で定電流アノードと定電位カソードの分極サイクルを行うことで,生理食塩水中の孔食電位は2 V以上まで上昇し,耐局部腐食性の大幅な向上が認められた.

  • 松橋 亮, 野瀬 清美, 松岡 和巳, 梶村 治彦
    2020 年 69 巻 11 号 p. 315-322
    発行日: 2020/11/10
    公開日: 2021/05/13
    ジャーナル 認証あり

    すきま腐食の電気化学試験では,試験機会によって発生する起点の個数や位置が異なり,すきま進展挙動が変動する.本稿では,SUS304の人工海水中の定電位試験(E=499 mV vs. SHE)におけるすきま腐食発生後600 sまでの初期進展性に与える発生起点の特性(個数,時間的順位,位置および発生時間)について,すきま腐食試験を16回繰り返しその傾向を検討した.その結果,同一試験条件でも起点特性は大きく異なることが判明した.起点の位置は,すきま部の縁下に近いほど多く2番目以降に発生する腐食起点は,先に発生している腐食起点位置による影響は受けない.すきま腐食が発生する時間は,すきまの縁下に近い方が短い傾向があり発生順位の影響はない.すきま腐食発生後600 sまでの腐食部分の総面積は,約0.015~0.110 cm2と大きく変動した.すきま腐食の面積進展速度は,IRドロップによる電位分布の影響によりすきま部縁下に近い方が速い傾向にあった.

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