Zairyo-to-Kankyo
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72 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
展望
腐食センター解説コーナー
(1) 腐食変色皮膜の形成
  • 石川 雄一
    2023 年 72 巻 4 号 p. 105-114
    発行日: 2023/04/10
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

    電子部品やデバイスに使用される金属材料は,自動車や橋梁と同じように腐食するが,寸法が小さいため,腐食破壊の影響を桁違いに受けやすい.腐食には環境との相互作用が伴う.これらの相互作用は,制御下で使用することができる.この解説では,エレクトロニクス用途における銀の腐食挙動を説明する一連の解説の第1報として,銀の変色膜形成特性を紹介した.変色のメカニズムとプロセスについて説明し,室内での変色皮膜の形成速度を示した.

論文 -第69回材料と環境討論会 講演大会論文-
  • 原 将之, 橋本 永手, 山路 徹, 小林 浩之, 曽根 幸宏, 濵田 秀則
    2023 年 72 巻 4 号 p. 115-120
    発行日: 2023/04/10
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

    港湾構造物で鉄筋コンクリート部材が大気部から干満部にかけて連続する桟橋を模擬した試験体を製作し,海水暴露試験を行った.各環境区分に設置した鉄筋の電位および電流密度を観測し,潮位変動がコンクリート中鉄筋に及ぼす腐食の影響を調査した.その結果,潮位変動と同期して鉄筋電位と電流密度の変化が確認された.また,潮位に応じて異なるマクロセルの形成が認められ,暴露期間の⻑期化に伴いマクロセルの特性が変化した.

  • 谷村 優斗, 久保内 昌敏, ウィナルト クルニアワン
    2023 年 72 巻 4 号 p. 121-125
    発行日: 2023/04/10
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

    FRP製塩酸貯槽の劣化を検出する光ファイバセンサーにおける,ファイバ埋め込み深さを非破壊で測定する方法についての検討を行った.様々なファイバ深さのセンサーに対して,超音波測定と光干渉断層撮影技術(OCT)による測定を実施し,精度を比較した.その結果,OCTによる測定の精度が高く,有効な測定法であると判断された.また,OCT測定したファイバ深さと,センサーモジュールの片面浸漬における変色開始時間から算出される塩酸の浸入速度の妥当性について検討したところ,想定される速度との誤差が少ないことが確認された.

  • 端 邦樹, 木村 敦, 田口 光正, 佐藤 智徳, 加藤 千明, 渡邉 豊
    2023 年 72 巻 4 号 p. 126-130
    発行日: 2023/04/10
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

    気液共存試料中の鉄鋼材料の照射下腐食環境における気相のラジオリシスの影響について調べるため,気液比や気相中の酸素濃度を変化させた条件の気液二相系試料へのガンマ線照射実験を行い,照射後の放射線分解生成物等の生成量の測定を行った.照射後の試料溶液には過酸化水素や硝酸イオン,亜硝酸イオンの生成が見られた.硝酸イオン,亜硝酸イオンの生成量は気相の比率が大きい気液比条件で酸素濃度が高い場合に多くなり,気相における酸素と窒素が関与する反応が硝酸生成の主要因であると考えられた.試料の一部を鉛で遮蔽することで液相の吸収線量を気相の吸収線量の1/100倍に抑え,気相のラジオリシス影響を相対的に大きくした状態で,液相のラジオリシス現象を観察した.液相のラジオリシスにおける過酸化水素の生成やpHの変化が気相を考慮しない通常の水のラジオリシスと同様の傾向を示したことから,気相の放射線影響を100倍に高めた今回の体系において,気相ラジオリシス由来の硝酸イオン,亜硝酸イオンが液相のラジオリシスに与える影響は極めて小さいことが示された.

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