51年間埋設したポリエチレン被覆鋼管を調査し,埋設環境におけるポリエチレン被覆の経年劣化挙動および防食性低下メカニズムについて考察した.ポリエチレン被覆は各種物性値や防食性が低下しており,埋設環境においても,ポリエチレンが表層から酸化劣化していくことが明らかになった.酸化劣化は酸化防止剤の添加等で抑制できるため,適切な酸化防止策を講じたポリエチレン被覆であれば,50年を超える防食期間が期待できる.
油井やガス井で使用される鋼材がCO2やH2Sなどの腐食性ガス環境で示す耐食性について,特に,13%Cr鋼にモリブデン(Mo)を添加することで耐食性が向上することに注目し,本研究では,H2S環境下での不働態皮膜形成に及ぼすMoの影響を調査した.Mo合金化の効果はHS-の有無によって異なり,p型半導体的性質を持つ内層酸化物および外層硫化物の双方に影響を及ぼすことが明らかとなった.