循環器理学療法学
Online ISSN : 2758-0350
早期公開論文
早期公開論文の7件中1~7を表示しています
  • 吉村 有示, 宮川 幸大, 石津 賢一
    論文ID: 0311
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/28
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    〈目的〉

    経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)患者における術前6分間歩行距離(6-min walk distance:6MWD)と1年以内の再入院との関連を明らかにすることを目的とした.

    〈方法〉

    2018年5月〜2020年12月の期間で待機的に経大腿動脈アプローチTAVI(TF-TAVI)を施行された356名を解析対象とした.再入院を予測するcut off値を算出し,再入院率を比較した.また,多変量解析にて3つのモデルを作成し,再入院と術前6MWDの関連を検討した.

    〈結果〉

    再入院を予測する術前6MWDのcut off値は168mであり,168m未満群では有意に再入院率が上昇した.また,各因子で調整後も術前6MWDは再入院を予測する因子として抽出された.

    〈結論〉

    術前6MWDはTAVI後1年以内の再入院と関連する.

  • 那須田 朋佳, 河野 裕治, 小澤 祐士, 水谷 公司, 前田 寛文, 簗瀬 正伸, 井澤 英夫, 大高 洋平
    論文ID: 0225
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/24
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    〈はじめに〉

    重複障害を呈した心不全患者では,過負荷に伴う心事故や心不全増悪が懸念され負荷量の設定に難渋する.今回,心不全を併存した大腿切断症例を通して,重複障害患者の管理方法について検討した.

    〈症例提示〉

    72歳女性,基礎疾患は心不全と下肢閉塞性動脈硬化症,腎不全(人工透析)であった.血栓による急性血管閉塞により大腿切断術を施行し,術後リハ開始となった.義足を希望されたため,心不全管理と義足作成に向けたリハ管理が必要となった.リハ中の心事故の管理には,心機能は有意残存狭窄があり,LVEFは59%,不整脈はないため,心電図モニタリングで虚血を管理した.また心不全管理には息切れ,疲労感,浮腫などの症状とリハ後から翌日までの不眠,食欲不振,疲労感の残存をモニタリングした.また切断による循環血液量の減少や,透析による自律神経障害も想定されたため,透析日は断端管理など低負荷で実施し,非透析日に運動療法を強化した.回復期転棟以降も上記モニタリングを継続し,心不全悪化なく退院となった.

    〈結論〉

    重複障害を呈した心疾患患者には,心機能に基づいたリスク管理と経過上の心不全増悪予防管理を分けてモニタリングすることが,身体機能の改善と病態増悪予防に重要であることが示唆された.

  • 澁谷 諒, 小野 環, 赤澤 奈緒, 勝部 晋介, 小幡 賢吾, 河合 勇介
    論文ID: 0128
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/04
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    〈背景〉

    高齢心不全患者の身体的フレイルに加えて低栄養を併存することがICU関連せん妄(ICU-AD)の発症要因となるかを明らかにすることを目的とした.

    〈方法〉

    2020年9月から2021年8月に入院した65歳以上の高齢心不全患者を正常群,低栄養群,フレイル群,併存群の4群に分けて比較検討した.

    〈結果〉

    解析対象者は85例(84.2±7.9歳,男性42%)であり,全体の37%にICU-AD発症を認めた.正常群に比べ併存群で発症率が有意に高かった(9% vs. 57%,p<0.01).ICUAD発症に関連する因子は,身体的フレイルと低栄養の併存(OR 3.18,95%CI 1.05-9.56,p=0.040)であった.

    〈結論〉

    身体的フレイルに加えて低栄養を評価することによりICU-AD発症リスクを予測できる可能性があることが示唆された.

    〈結論〉

    身体的フレイルと低栄養の併存はICU-AD発症リスクを増大させる可能性がある.

  • 橋本 千里, 河野 裕治, 小澤 祐士, 前田 寛文, 簗瀬 正伸, 井澤 英夫, 大高 洋平
    論文ID: 0207
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/04
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    〈はじめに〉

    点滴強心薬使用中の運動療法は禁忌にはならないが,その安全性や効果については十分に検証されていない.今回,点滴強心薬使用中に安全に有酸素運動が導入できた2症例を通して導入時の心不全管理方法を検討した.

    〈症例提示〉

    症例1は40歳代男性,LVEFは35%で点滴強心薬使用中でも収縮期血圧が80mmHgと低く,運動時の上昇も認めなかった.強心薬使用下で急性期離床プログラム完遂し,運動耐容能改善目的に有酸素運動を導入し,心不全増悪を認めず退院となった.症例2は70歳代男性,LVEFは23%で重度僧帽弁逆流を呈する重症心不全患者であり,入院中に経皮的僧帽弁接合不全修復術が施行された.術後は強心薬使用下で急性期離床プログラムが完遂し,循環動態改善と運動耐容能改善目的に有酸素運動を導入した.退院時まで心不全増悪を認めず,6MWDの改善を認めた.

    〈考察〉

    急性期離床プログラムが完遂しさらに心不全症状が安定していれば,点滴強心薬使用中でも安全に運動療法が導入可能と考えられた.

  • 吉田 陽亮, 藤原 大輔, 福井 恵, 山田 綾美, 谷山 みどり, 土居 尚樹, 高橋 瑠奈, 岡山 悟志
    論文ID: jcpt.0107
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/02/13
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    〈目的〉

    身体的フレイルを合併した高齢心不全入院患者において,座位行動(SB)を低強度活動(LPA)に置き換えることが退院時の身体機能とADLに影響を与えるかをIsotemporal Substitution modelを用いて推定する.

    〈方法〉

    心不全患者30例の心リハ開始時の身体活動量を解析した.退院時のShort Physical Performance Battery(SPPB)とBarthel Index(BI)についてSBからLPAへの置き換え効果を推定した.

    〈結果〉

    SBの中央値は764分,LPAは75分であった.60分間のSBをLPAに置き換えることで退院時のSPPB(B=1.0,p=0.045)とBI(B=5.2,p=0.039)が有意に高値を示した.

    〈結語〉

    SBをLPAに置き換える取り組みは退院時の身体機能とADLを改善させる可能性がある.

  • 臼井 直人, 小幡 賢吾, 佐藤 友則, 南部 路治, 濱崎 伸明, 堀田 一樹, 宮崎 慎二郎, 山下 真司, 山本 周平, 齊藤 正和
    論文ID: jcpt.1203
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/01/17
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    学術大会への参加者増加を検討するための基礎的データの収集として,第7回日本循環器理学療法学会学術大会の参加者に対してアンケート調査を実施した.参加者の属性に基づく参加率の傾向や学術大会へのニーズに関連する項目に焦点を当てて集計を行った.その結果,参加者の各種属性により参加率や参加目的に一定の傾向を認め,特に一般会員の現地参加率の低さが目立った.学術大会の満足度は,いずれの属性においても高い満足度が確認された.参加率の少ない属性を持つ会員のニーズを考慮した学会企画や広報活動が重要と考えられた.

  • 天尾 理恵, 角谷 尚哉, 中村 みづき, 北垣 和史, 安藤 可織
    論文ID: jcpt.0827
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/11/27
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    女性活躍は日本の様々な分野で注目されているが,他国に比べ日本における女性の社会進出は遅れをとっている現状である.日本循環器理学療法学会ではダイバーシティ推進委員会が中心となり,女性理学療法士の活躍推進に向けて現状と課題の把握,活躍に向けた対応策の検討を目標に活動している.今回,第2回目の女性活躍推進に向けたアンケート調査を学会員に向けて実施し,キャリアアップやライフワークバランスなどについて調査した.性別および子どもを持つ女性会員に着目し解析したのでその結果を報告する.

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