〈背景〉
高齢心不全患者の身体的フレイルに加えて低栄養を併存することがICU関連せん妄(ICU-AD)の発症要因となるかを明らかにすることを目的とした.
〈方法〉
2020年9月から2021年8月に入院した65歳以上の高齢心不全患者を正常群,低栄養群,フレイル群,併存群の4群に分けて比較検討した.
〈結果〉
解析対象者は85例(84.2±7.9歳,男性42%)であり,全体の37%にICU-AD発症を認めた.正常群に比べ併存群で発症率が有意に高かった(9% vs. 57%,p<0.01).ICUAD発症に関連する因子は,身体的フレイルと低栄養の併存(OR 3.18,95%CI 1.05-9.56,p=0.040)であった.
〈結論〉
身体的フレイルに加えて低栄養を評価することによりICU-AD発症リスクを予測できる可能性があることが示唆された.
〈結論〉
身体的フレイルと低栄養の併存はICU-AD発症リスクを増大させる可能性がある.
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