〈目的〉経カテ-テル的大動脈弁留置術 (Transcatheter Aortic Valve Implantation:TAVI) 後における入院関連機能低下 (Hospitalization-Acquired Functional Decline:HAFD) と睡眠の質との関連について検討した.
〈方法〉2021年4月から2024年4月にTAVIを施行し, 術前後に検査が可能であった157例を解析した. HAFDの定義は術後のShort Physical Performance Battery (SPPB) が術前よりも1点以上低下とした. 睡眠の質はJapanese version of The Richards-Campbell Sleep Questionnaire (J-RCSQ) を使用し, 術後1日目から術後3日目まで調査した. 統計解析は従属変数をHAFD, 独立変数をJ-RCSQ, 年齢, 身体フレイル, 術前SPPB, 術前Mini-cog, 術後せん妄とした多変量ロジスティック解析を実施した. なお, 多変量解析は, せん妄患者を包含したフルモデルおよび除外したサブモデルの2モデルで解析した.
〈結果〉HAFD発生率は40.1% (63例) であり, 2群比較 (HAFD vs Non-HAFD) にて, HAFD群の術後1日目のJ-RCSQはNon-HAFD群よりも有意に低値であった (49.4±32.8 mm vs 63.8±30.8 mm, P=0.008). 術前SPPBは, HAFD群でNon-HAFD群よりも有意に高値であったが (9.2±2.5点 vs 8.1±3.5点, P=0.033), 術後せん妄の発生率は2群間で差はなかった (10.5% vs 13.8%, P=0.612). フルモデル (OR=0.981, 95%CI:0.967-0.995, P=0.007), サブモデル (OR=0.982, 95%CI:0.966-0.997, P=0.018) ともに術後1日目のJ-RCSQはHAFDと有意な関連がある独立変数であった. HAFDの有無に関連する術後1日目J-RCSQにおけるカットオフ値は56.0 mmであった.
〈結論〉TAVI術後1日目のJ-RCSQはHAFDの予測因子であった.
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