日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
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12 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 湊 三郎, 鎌田 次男
    原稿種別: 本文
    1988 年 12 巻 4 号 p. 109-115
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    この研究では,秋田県内の二つの地域,農村部と都市部,で行われている高齢者学級に出席されており,年齢は60歳以上の男性83名と女性40名に対して算術に対する態度尺度と数学の印象に関する自己報告的調査を実施して得た資料を分析して報告する。研究の結果,算術の すき-きらい には性関連差が,数学の印象については地域差があり,しかも算術に対する好意的態度と数学の良い印象は,より良い算術の授業を受け,数学のより多くの使用を経験したとしても,結果としては高まるとは限らないことを明らかにしている。
  • 縫部 義憲
    原稿種別: 本文
    1988 年 12 巻 4 号 p. 117-122
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    The aim of the present article is to describe the structure of Japanese Language Pedagogics, a new interdisciplinary science, focused on the relationships of other sciences to JLP. Basically foreign language pedagogics (FLP) should be a system. The system means that the components of FLP are interrelated and intertwined. Concretely the components are (1) Methods of teaching Japanese as. a foreign language, (2) Japanese linguistics, (3) applied linguistics, (4) Japanese culture and literature. The set of the elements cannot be the Gestalt, the system. The Gestalt, or JLP only exists: as was mentioned above, it has four elements or aspects. The elements must not be separated from the Gestalt (JLP). Japanese Language Pedagogics is quite different from "National Language Pedagogics" meaning Mehods of teaching Japanese as a first language. JLP has two sides: general Methods and special Methods. The former means Methods common to any foreign language education. JLP is one of the special Methods. In this connection, I studied the relationships to JLP of other related sciences: philosophy, pedagogics, psychology, physiology and linguistics.
  • 松本 和子
    原稿種別: 本文
    1988 年 12 巻 4 号 p. 123-128
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    ダイアリー・スタディは,言語学習のプロセスに関する日記の分析研究であり,クラスルームを中心とする第2言語習得研究において,最近顕著な増加の傾向を見せている質的アプローチである。ダイアリー・スタディの主たる利点は,言語習得に関する新しい仮説を生み出すだけでなく。言語学習において重要な役割を果たす新しいファクターを発見する点,クラスルーム内の自然な言語データを提供する点,さらに,言語学習における種々の心理的,及び個人的なファクターに光明を投じる点にある。クラスルーム内の言語学習プロセスを扱う創造的,探究的なダイアリー・スタディは,外国語の習得が形式的な教育環境の中にほぼ限定されているにもかかわらず,クラスルームにおける言語学習に影響を及ぼすファクターに関する研究データがほとんど得られていない今日の日本において,特に行う意義のあるものと考えられる。
  • 太田 昌子
    原稿種別: 本文
    1988 年 12 巻 4 号 p. 129-135
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    家庭科における食物学習の効果を高める一つの手段として,量感覚を身につけさせることの重要性に着目し,まず重量知覚及び食品重量判別能力の年齢的発達及び男女差について,基本的に明らかにする目的で調査研究を行った。調査対象は島根県出雲部の小・中・高・大学の男女児童,生徒,学生合計843名である。調査方法としては,検査器による重量順位弁別テスト,5種の食品による重量順位弁別テスト及び重量推測テストを実施し,学年別,男女別にその結果を比較した。これらのテスト結果を総合して考察すると,重量知覚そのものは今回の調査対象の最低学年である小学校2年生までにほぼ完成しており,男女差もないものと推定された。しかし食品を用いた2種のテスト結果には,学年的発達及び男女差の存在が認められた。このことは,食品の重量判別能力が単に重量知覚のみによるものでなく,そこに何らかの要因が存在していることを示唆するものである。
  • 吉田 雅巳
    原稿種別: 本文
    1988 年 12 巻 4 号 p. 137-144
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    高等学校に在籍する学業不振の生徒の学習方略を調査するために調査票QLS (Questionnaire of Learning Strategy)の開発を行い,それを用いて都内工業高等学校定時制の生徒を対象に調査した。調査票は,定期試験の行い方についてのアンケートの形で構成した。その理由は,生徒に最も関心のある試験・成績に関した前提条件を提示することにより,現実的な回答が期待でき,学習方略の発揮できる場を与えるからである。調査データを因子分析にかけたところ4因子が得られた。その因子を次のように解釈した。因子1:解答例の存在の因子,因子2:解答数の因子,因子3:不安の因子,因子4:正答の厳格性の因子。この内,因子1は学業不振の生徒に特徴的な学習方略の「解答速成方略」(producer strategy)であると考えられる。また4つの因子の中には共通して「恐れ」と「不安」という要因があると考えられた。
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