教育課程の編成においては,各教科の独自性と教科相互の関連が明確にされなくてはならない。生活科の出現に伴う教育課程の再構造化のために,生活科独自の役割と他教科等との関連を配慮した構成が求められている。本研究では,まず,内容領域と活動類型の二点から生活科の教材構成を捉える理論的枠組みを提案した。次に,その枠組みに沿って文部省の指定した生活科研究推進校の実践の分析をおこなった。その結果,次のような教材構成上の特徴か分かった(1)体験が重視される中で,1学年から2学年へかけて,直接的な体験がより目的的な体験へと質的に変化していること,(2)他教科等との合科的関連は,国語,特別活動,図画工作とが大半であること,(3)合科的関連は学校の方針が大きく関与していること,(4)単元は,その題材や目的に応じて分科的にも総合的にも展開されていること。
抄録全体を表示