日本教科教育学会誌
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4 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 松本 勝信
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 61-68
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    本研究は最適な教科課程構成の原理と方法を確立するための一方法論として,実用化されている教科課程の分析方法の確立をめざすものである。教科課程の基本的構成要素を目的・目標,学習内容,学習方法,評価でとらえる。また,それらの内容決定に対する基礎理論を,知識哲学,人間論,自然・社会・文化論,学習理論の4体系でとらえる。このような立場から,教科課程の分析視点として,(1)理論的前提-(イ)哲学的立場・(ロ)教科の必要性・(ハ)教科課程構造・(ニ)学習理論,(2)目的・目標,(3)学習内容・活動構成-(イ)範囲・(ロ)系列・(ハ)構成基準,(4)教授・学習過程構成。(5)教授・学習環境,(6)評価,(7)教科課程構成の一貫性,をとりあげた。
  • 禹 正晧
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    本研究は,ピアジェ心理学の数学教育的研究の一部を担うものである。ピアジェのいわゆる「操作的構成主義」に基づいた「自主的行動と操作の教授学」と,その発展過程,即ち,B.インヘルダー女史のいわゆる「フリーカリキュラム」,H.エブリ,A.フリッケなどによるいわゆる「操作的原理」,そして,E.ヴイットマン,H.G.シュタイナーなどによる操作的原理の明確化とその拡張という発展過程を考察した。その結果,ピアジェ心理学に基づく新しい活動的教授原理は「群性体」(groupement)概念に基づくものであること,したがって,この一連の展開の核心となるものは,諸数学的操作の基礎であるところの基本的群性体の明確化とその形成のための戦略であることを明らかにした。
  • 池野 範男
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    教科教育学は,教科の目標に出発点をもった目標-内容-方法の一貫性として立てらねばならないだろう。教科の目標は,子どもがその教科を学習する意義を表明したもの故に,この意義が明確に根拠づけられてはじめて,一貫性もより有効なものになるであろう。本小論は,A.クーンの「批判的歴史授業」論を手がかりにして,上の根拠づけと一貫性の問題に接近した。クーンは歴史教授をフランクフルト学派の「批判理論」の中心概念である「自己解放」によって根拠づけるとともに,その概念によって一貫性を構想している。考察で,目標の根拠づけには,科学論と結びついた社会理論が有効であることが,明らかになった。
  • 石川 廣美
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    何ごとであれためしてみることが科学の鉄則であるように,何ごとであれ理解し味わってみることは学習者にとって不可欠なことではなかろうか。理解し味わうこと,すなわち鑑賞することは芸術教育や国語教育の分野に限られるものではない。数学教育でも鑑賞という言葉がよく用いられている。しかしながら,数学教育における鑑賞について論じたものはきわめて少ない。本稿は数学教育における鑑賞について,教科教育学の立場から若干の考察を試みたものである。
  • 吉田 淳
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    最適な教授・学習活動を構成するためには,子どもの認識活動の実態を解明することが必要である。本研究は,子どもの認識活動を,学習時の心理生理的活動から明らかにするための基礎研究である。本小論においては,大学生を被験者とし,「ろうそくの燃焼」に関する問題解決活動における学習者の脳波を記録した。脳波分析により,問題解決における対象的思考と反省的思考の相補作用について報告する。脳波分析の結果は次の2点てある。(1)事象観察時の学習者の脳波には,質問回答時のそれよりも後頭部α波の出現が少ない。これは,事象観察時では視覚性注意の集中度が高いためによるものと考えられる。(2)問題解決における学習者の脳波パターンには,学習者間に高い正の相関が認められ,それは学習者の回答内容と関係がある。これらの結果から,事象観察時は,質問回答時よりも対象的思考の占る割合が高く,さらに対象的思考による情報の収集・処理が,次の回答内容の適確性に影響を及ぼすと言える。
  • Rudy SAHARUDIN
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
  • 西村 尚
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    この研究は,新指導要領6年,B(1)水に溶けているものを調べ水溶液の性質を理解するを受けて進めたものである。従来この単元は論理に一貫性がなく,探求的指導が困難であり,ともすれば断片的な指導に,おちいりがちであった。そこで今回は,じゅうそうの溶け方を中心に教材研究を進めたところ,子供に躍動させながら探求に導き,これまで断片的に扱われていた内容,ア,イ,ウを構造的に指導できることがわかったので,その概要を報告する。
  • 堀 曜子, 宇田 昌子
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 111-119
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    音楽科教育における今日の中心的課題は,教育内容をいかに編成していくかという問題である。この問題を考えるにあたって,諸外国のすぐれた音楽教育体系を分析することは,国情の違いを超えた普遍的な音楽教育の本質を提供してくれるものである。本論では,ハンガリーで行なわれている"コダーイ・メソッド"の分析を通して,教育内容編成の問題にアプローチしていく。ところで,教育内容とは,教育目標-教育内容-教育方法連鎖中の中央項にあたり,教材の選択と配列に関する事項,すなわち,教育目標を達成するために,どんな教材を選択し,その教材を学習者の発達に即してどう配列するかという事項である。したがって,教育内容編成の問題は,まず目標との関わりの中で論じられねばならない。本論本稿では,まず,コダーイ・メソッドにおける目標観を考察した後,その教育内容の構造化をはかる一方,その中から教育内容を規定する一契機である音楽各構成要素の配列順序を述べていく。
  • 山下 省蔵, 池本 洋一
    原稿種別: 本文
    1979 年 4 巻 2 号 p. 121-125
    発行日: 1979/04/30
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    工業高校の専門科目の内容は,技術の質的変化や学習者の実態によって,十分理解されてない面のあることが指適されているので,教科教育の立場から,その再検討が必要であると考えられる。一般的に工業科目の内容は,産業の変遷に従属してかえられており,人間のかかわりの視点が不足していると考えられる。そこで学習者を主体とする科目の内容とその取り組み方について,新しい領域と考えられる「計測・制御」について試案を作り,その実証的な効果について述べた。
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