日本教科教育学会誌
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7 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 伊藤 俊彦
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 55-63
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    Polya,G.(1945)の提唱した発見学的戦略による数学的問題解決モデルの実験的,実証的研究が,1970年代米国で数多くなされた。それらの実験的研究について共通していえることは,数学における問題解決過程に焦点をあて,Polya,Gの発見学を問題解決戦略として用い,問題解決過程を行動分析してその過程のメカニズムを解明することである。これらの実験的研究に共通した実験方法,問題解決過程の行動分析体系,よく使われる統計的手法などは,数学的問題解決の教授-学習の研究方法論や評価論の構築の基礎になると考えられる。数学的問題解決についての研究方法や評価は,わが国では明確に客観化されていない。そこで本報告は,数学的問題解決の研究方法や評価を明確に客観化するための基礎的研究として,1970年代の米国における数学的問題解決の実験的研究の考察を試みた。
  • 片山 英雄, 坂田 ひろし
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 65-70
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    小学校において「関数の考え」を育てるのに適切な時期としては,第何学年頃であろうか。学習指導要領の改訂のたびに,第3学年へ,また第4学年へと移ってきた。しかし,授業の条件を統制して比較する実験的な授業を実施しての検討は十分なされているとはいえない。こうした観点から,算数学習能力のほぼ等質な第2・3・4学年の児童に,同一の授業を共通の指導方法,指導者で実施し,「関数の考え」を理解させることの可能性をさぐり,学年による特色を明らかにしようとした。その結果,4年では「関数の考え」の基本的なことがらはいずれも指導できること,3年上位も4年に近い程度まで指導できること,3年下位は一対一対応など基礎的な事項にかぎれば指導は可能であること,2年は「つながり」を調べる程度の素地指導が適当であることなどが確認できた。
  • 三島 巌志, 桃井 凡夫, 前田 健悟, 山下 太利, 尾道 三一, 藤本 明広, 森永 好誠, 松岡 謙二, 藤岡 輝光
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 71-76
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    筆者等は,電流概念の形成に関する研究を行っている。今回は,電流概念の基礎となる電流の流れる向きについて,その理解度を小学校3年から中学校3年迄を主に調査した。調査は,([○!+]極から[○!-]極へ流れる」など文章で問う形式と,具体的に電流の向きを示した図によって問う形式の問題で行った。又,乾電池に豆電球を連絡した場合,回路の各部分を流れる電流の強弱に関する考え方についても調査し,電流の流れる向きについての理解の深さを検討した。その結果,電流の流れる向きについての小学校4年,6年及び中学校2年での学習と理解度の間には深い関係が認められた。又,文章で問う形式と,図によって問う形式の問題の答は,正誤にかかわらず良く対応していた。一方,電流の向きについて理解しているように見える者の中にも,「電流は[○!+]と[○!-]の両極から流れる」と言う考え方が潜在していて,真の理解に達していない者も中学3年以外にかなり見受けられた。
  • 清水 尭
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 77-83
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    指導の効果を高めるための鍵は,児童のその教材に対するイメージを知ることである。蛯谷(1981)は,教授活動の設計において学習者の可謬的な試行錯誤と探索を重視し,「思う」ことから,もともと不可謬性を本質にする「知る」ことへの過程を構造化している。ここでは教材に対する児童のもつ様々なイメージは,それを非難するのでもなく,砕くのでもない。それを基底にして指導の構造化を図り,指導の効果を高めるための出発点でもある。このような意味において,本稿では,直接見ることのできない電気エネルギーについて,児童のイメージを探り,のぞましい指導過程のあり方について考察しようと思う。なお,本研究は,授業の実践を通して行ったものである。この研究を通して学習の過程における児童の認知活動が,その認知の要件が適切に組立てられ,相互に補完しあうような条件が与えられるならば加速的な指導の効果が得られることを明らかにすることが出来た。
  • 佐伯 卓也
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 85-90
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    I-WAテスト(I式WAテスト)を用いての,学習者の認知構造測定については,すでに報告している。先行研究に見られるWAテストとの比較に焦点をしぼり,その妥当性,信頼性についての一応の結論,さらに既存のWAテストに比べ,I-WAテストは同じような対象を測定していると見られることがわかった。さらにS-P表に関係した係数について触れる。
  • 大沢 俊成
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 91-97
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    著者は,1975年以来,英語動詞の意味の連想的推量に関していくつかの考察を行なってきた。たとえば,英語を母国語とする米国人が,修飾語を持たないS+V/S+V+O型のテスト文の中で,動詞の意味をどう連想的に推量するか(1977,1978)とか,応用として,そのような推量が,英語を母国語とする人と英語を外国語として学んでいる人との間にある文化的差異を知る上で,どの程度有益であるか(1980)を考察してきた。この度の研究報告では,1975年以来考察の対象にしてきた約500の英語動詞のうち,30語の用例文の意味を対象にして,Palermo and Jenkins (1964) Entwisle (1964), Postman and Keppel (1970)および,著者の1977年,1978年,1980年の考察で得た観察資料(修飾語反応)に基づいた,英語の母国語話者による用例文の読み取りの観察を報告する。
  • 浦川 朋司
    原稿種別: 本文
    1982 年7 巻2 号 p. 99-103
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    本論の目的は,1.理科番組を利用するため,2.理科番組を制作するため,3理科番組を研究するための基礎を提供するにある。ここにいう理科番組とは,現在,放送されているNHK教育テレビの小学校,理科番組のことであるが,本論では,現在の理科番組をモデルにして,理想上の理科番組について考察する。
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