前報では, 地下部生理活性の指標の一つとして, 根のα-NA酸化力を定量し, かつ, 乾物生産の分配率をも考慮した形で, 個体の生長を解析するという考え方を提起し, Root Growth Analysisと呼んだ. この中で, Root Activity/RwをURA (Unit Root Activity), Rw/PwをRWR (Root Weight Ratio), (1/Root activlty)・(dPw/dt)をRAR (Root assimilation Rate)と定義した. (ここで, Root activity とは, α-NA酸化量・hr
-1・個体
-1のことである.) 今回は, これらの各要素と, 生長解析法の要素であるLAR, NARとの相関関係を調べ, かつ, 栽培上の施肥技術との関係についても, 若干の検討を加えた. (UFA)^^^-と(LAR)^^^-(Fig. 1)との間には, 正の相関関係が認められ, (URA)^^^-と(NAR)^^^-との間にも同様の関係が認められた. 根の生理活性(URA)は, 地上部の光合成器官の生長と密接な関係があることが考察された. (RWR)^^^-と(LAR)^^^-(Fig. 2), (RWR)^^^-と(NAR)^^^-(Fig. 3)の関係は, 培地NO
3-N 50ppm区では正の相関関係が, 培地10ppm区では, 負の相関関係が認められた. 培地養分条件の違いによる, この相関関係の違いは, 作物栽培上の施肥量, 施肥時期などの問題とも関係があるものと考えられる. しかし, Root Growth Analysis と Growth Analysisとの関連性, それに, 栽培技術との関係を明確にするためには, 未だ資料が不足しており, 今後, 種々の材料, 多くの培地条件での実験によって検討を加えていきたい.
抄録全体を表示