日本作物学会紀事
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75 巻 , 1 号
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研究論文
栽培
  • 斎藤 満保, 中村 聡, 後藤 雄佐
    2006 年 75 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    田植えや収穫期の時期的な分散および障害型冷害の危険分散を目的として, 出穂期の分散化を図る研究を行っている. この研究の中で, 苗の種類を変えることによる冷害危険期分散の効果について2003年の冷害年に検証を行った. 2003年は, 6月以降, 低温と日照不足が続き, 試験地宮城県では, 障害型冷害が多発した. 被害にあった水田では, 同一圃場内においても出穂期間が例年より長く, また, 出穂が早いほど被害が大きかったが, 本実験において, その傾向をより詳しく解析することができた. 水稲ササニシキの中苗と稚苗, 乳苗それぞれを, 1株4個体, 畦間30 cm, 株間15 cmで水田に移植栽培し, 株内全ての茎の出穂日を調査した. 収穫後, 各穂の稔実歩合を調べた. 中苗移植区, 稚苗移植区, 乳苗移植区の順に出穂し, 出穂期間は中苗移植区で11日間, 稚苗移植区で13日間, 乳苗移植区で9日間と例年より長かった. 50%が出穂した計算上の出穂日の中苗移植区と稚苗移植区の差は4.7日, 稚苗移植区と乳苗移植区の差は4.2日であった. 稔実歩合は, 苗の種類にかかわらず, 8月10日出穂茎から, 8月20日出穂茎までは, 遅く出穂した茎ほど, 直線的に高くなった. また, 8月20日以降に出穂した茎では, 同程度の稔実歩合であった. 精玄米重は中苗移植区で少なく, 屑米重などから低温による不稔が主要因であったことが示された. 特に, 乳苗移植区では, 低温障害による不稔は回避でき, 苗の種類により出穂期を分散させ, 障害型冷害の被害を分散できることが示された.
  • 古畑 昌巳, 岩城 雄飛, 野間 貴文, 有馬 進
    2006 年 75 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    打込み点播機を用いた水稲の湛水土中直播栽培において, 緩効性肥料を用いた播種同時打込み施肥技術の確立をめざし, 同時施肥が出芽・苗立ちに及ぼす影響をポットおよびコンテナ実験で検討した. 同時施肥を想定した打込み区は, 全層区に比べて出芽率ならびに地上部・地下部の初期生育が遅れる傾向を示した. また, 土壌中のアンモニア態窒素濃度は打込み区が全層区に比べて高く推移した. この場合, 播種後の落水管理をすることにより出芽率が向上し, 加えて地上部・地下部の初期生育が促進され, 同時施肥による初期生育の遅れが解消された.
  • 松崎 守夫, 高橋 智紀, 細川 寿
    2006 年 75 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    北陸地方のダイズは主に重粘土転換畑で栽培されているが, それらの圃場は排水性が悪いため, 湿害が懸念される. 北陸地方の梅雨は6月下旬~7月中旬となるが, その時期は, ダイズが湿害を受けやすい生育初期や花芽分化期に相当する. ここでは, 北陸地方の重粘土転換畑で栽培したダイズにおいて, 梅雨時の過湿条件の影響と被覆尿素の湿害軽減効果を検討した. 6m幅の圃場外周に明きょを施工し, 梅雨時に地表面まで湛水する圃場と, 湛水しない圃場を設けた. また, 営農試験地において, 転換初年目の暗渠敷設圃場, 未敷設圃場を供試した. 各圃場に対し, 被覆尿素を施用しない対照区, 40日, 70日, 100日, 100日シグモイド, 140日タイプの被覆尿素10 gN/m2を, 基肥として全面施肥する区を設けた. 過湿条件によって, 窒素集積量, 収量は減少し, 窒素集積量の減少は主にウレイド態窒素集積量に, 収量の減少は主に莢数の減少に由来した. 被覆尿素の効果は, 湿害が発生した圃場で見られ, 梅雨明けまでに溶出量が多い40日, 70日, 100日タイプで効果が見られる場合が多かった. 40日, 100日タイプは収量, 70日タイプはウレイド態窒素集積量を増加させる傾向があった. 以上のように, 北陸地方の重粘土転換畑では, 梅雨時の過湿条件によってダイズの窒素集積量, 収量が減少したが, 過湿時に溶出量が多い被覆尿素によって, それらの減少は軽減される傾向があった.
  • 内川 修, 福島 裕助, 佐藤 大和, 田中 浩平, 松江 勇次
    2006 年 75 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    サチユタカの裂皮粒発生の防止対策技術を確立するために, 播種時期, 栽植密度および各農業形質と裂皮粒発生率との関係を明らかにした. 裂皮粒の発生率は, 播種時期では生産年次に関わらず6月播種の早播で多く, 7月10日以降の播種時期では減少する傾向が認められた. 栽植密度では7月10日の適期播種においても6月播種と同様に栽植密度が高くなると裂皮粒の発生率が低下した. 一方, 7月24日の遅播きでは栽植密度の違いによる裂皮粒発生の差は認められなかった. 農業形質と裂皮粒発生率との関係では, 百粒重および子実重との間には有意な相関関係は認められなかったが, m2当たり粒数および粒茎比との間に有意な負の相関関係が認められた.したがって, サチユタカの裂皮粒発生の防止対策としては, m2当たり粒数を確保し, 粒茎比を高める播種時期, 栽植密度を設定する必要があった.
  • 〓田 光雄, 白岩 立彦, 堀江 武
    2006 年 75 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    1985年から無施肥裁培(以下, 無施肥区)と化学肥料連用裁培(以下, 施肥区)を長期間継続する桑園の土壌全窒素含量および全炭素含量と収量の推移を2003年までの19年間にわたって比較した. 施肥区へは, 年間10 a当りN, P, Kをそれぞれ 30 kg, 20 kg, 20 kgを春と夏に半量ずつ表面施肥し, 無施肥区へは何も施さず, 雑草や落葉も圃場外へ除いた. 調査園では, 1985~1990年までの期間は在来の桑(品種 : 改良鼠返)が, 1991年以降は改植した桑(品種 : 一ノ瀬)が裁培された. 収穫法は, 春蚕期は条桑収穫, 晩秋蚕期は頂部4~5葉を残し下部を摘葉収穫とした. その結果, 無施肥で裁培を長期間継続した圃場において, 土壌全窒素含量と全炭素含量がおおむね平衡に保たれ, 年間の桑生葉収量も1800~2000 g m-2と安定していることが認められた. 植物体によって収奪された窒素量と土壌全窒素含量の収支から, 平衡に達した無施肥裁培では年間 17.5 g m-2の窒素の天然供給が推定された. この窒素のソースは不明であったが, 土壌全窒素含量および全炭素含量の変動から, それらとして下層土から上層の根圏への養分移動, 圃場周囲からの養分流入ならびに土壌中の微生物による大気からの窒素固定とが可能性として考えられた. 桑葉収穫後, 次の収穫までの期間が長く, かつ当年の施肥効果が現れるのが遅い春蚕期収量では無施肥区が, また収穫までの期間が短く当年の施肥への依存度が高い晩秋蚕期収量では施肥区が, それぞれ多収を示した. 吸収した養分の分配も, 施肥・無施肥処理区間に差が認められ, 養分の少ない無施肥区では葉身部への窒素の配分割合が施肥区よりも高く, このことも無施肥裁培の高い収量の一因と考えられた.
品質・加工
  • 和田 卓也, 坪根 正雄, 濱地 勇次, 尾形 武文
    2006 年 75 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    1998年から2002年の5カ年において, 極早生から晩生までの20品種を用いて, 食味と食味関連理化学的特性, 農業形質との関係を解析し, 今後の良食味品種選抜のための指標形質について検討した. クラスター分析により, 供試した品種は食味のレベル別に, 第1群 : 食味がコシヒカリ並みの品種群, 第2群 : 食味がコシヒカリより優れる品種群, 第3群 : 食味がコシヒカリよりもやや劣る品種群, 第4群 : 食味がコシヒカリよりも大きく劣る品種群, の4群に分類された. 4群全てを込みにして食味との関係をみると, アミロース含有率, タンパク質含有率, アミログラムの最高粘度, ブレークダウン, テクスチャー特性値(H/-H, H/A3)において, 有意な相関が認められた. 近年の育成系統の食味をみると, 食味がコシヒカリよりも大きく劣る品種は年々減少していた. そこで, 食味が劣る第4群を除いて, 食味が優れる第1~第3群までを込みにして食味との関係をみると, アミロース含有率とテクスチャー特性値(H/-H, H/A3)においてのみ, 有意な相関が認められた. 食味レベル別の4群間のアミロース含有率とH/-Hの比較を行ったところ, アミロース含有率は第1~3群間の相互の差が有意でなかったのに対し, H/-Hは食味がコシヒカリよりも優れる第2群と食味がコシヒカリよりもやや劣る第3群との間に有意差が認められた. テクスチャー特性値は品種の出穂特性に影響を受けず, 食味レベルが高い集団内にあっても有効な選抜指標形質になりうることが明らかとなった.
  • 藏之内 利和, 中村 善行, 田宮 誠司, 中谷 誠
    2006 年 75 巻 1 号 p. 44-50
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    サツマイモ塊根を蒸煮・薄切り・乾燥した加工品である蒸切干(干しいも)は, 茨城県の重要な地域特産品である. しかし, 近年は輸入品が増加し, 国産製品の品質向上が緊急な課題となっている. そこで, 蒸切干加工時の乾燥経過と品質関連特性の経時変化を調査し, 蒸切干加工法の改善と高品質系統の効率的な選抜に向けた検討を行った. 蒸切干の乾燥に伴って明度が低下し, 赤味が増加して黄色味が減少する傾向が見られた. 蒸煮・薄切り直後の塊根片の色調には明確な品種・系統間差がみられ, 明度の品種・系統間差は乾燥により減少したものの, 色調の各測定値の品種・系統による高低関係が逆転することはなかった. 蒸切干の硬度や糖度には, 乾燥期間中を通じて常に明確な品種・系統間差が見られた. 以上のことから, 蒸煮直後の蒸しいもの性状から蒸切干の性状を予測することが一部の形質で可能であり, 蒸しいもの段階での選抜も可能であることが判明した. 蒸切干の含水率は乾燥終了時には30%を下回り, 品種・系統間差はほとんど無くなった. 過乾燥により蒸切干の硬度が高すぎる例もあったことから, 一部の品種・系統は乾燥期間をやや短縮する必要があると考えられた. 蒸切干の硬度と糖度との間には負の相関関係が見られた. したがって, 適度な硬度で食感の良い蒸切干作成のためには, でん粉の糖化を促進するように時間をかけた蒸煮方法が重要であり, これは食味の向上という点でも重要であろう.
  • 大前 英
    2006 年 75 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    機械摘採の導入がチャ(品種やぶきた)の収穫率に及ぼす影響, および秋の整枝高の違いが茶樹の生産態勢, 実収量, 全芽収量, および一番茶の荒茶品質に及ぼす影響について検討した. 機械摘採の導入による新芽重の摘み残し割合は, 34~37%に達した. 秋の整枝高はチャ新芽の生産態勢を変化させ, 整枝高が高いほど葉層が厚くなり, 受光率や葉面積指数が大きくなった. 弱整枝区の生産態勢はすぐれ, 秋冬季の芽の大きさ別分布では大きな芽の占める割合が高く, 一番茶期では出開度が小さく, 遊離アミノ酸やテアニン含有率が高く, 荒茶品質の官能審査値が比較的高い値を示し, さらに三番茶以降の新芽重の値が高くなった. 一方, 年間(一~四番茶)収量では摘み残しを含める全芽収量および実収量ともに中整枝区で最も多く, 弱整枝区がそれに次いだ. 機械摘採による収量ロスを少なくして, 茶樹の新芽再生力を維持( 収量の高維持) できる栽培管理法は, 秋の整枝高を中位かやや高くすることであると考えられた.
作物生理・細胞工学
  • 福岡 峰彦, 岩間 和人, 実山 豊
    2006 年 75 巻 1 号 p. 57-67
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    陸稲品種間のかんばつ回避性の差異を, 大気飽差(VPD)が比較的小さい日本の圃場条件下において, 群落表面温度(Tc)から気温(Ta)を引いた値である葉気温較差(ΔT)を用いて推定できるかを検討した. 主に根系の到達深度の違いから, かんばつ回避性が大きく異なることが想定される陸稲品種群を, 降雨を遮断し, 2001年には潅水および無潅水の, 2002年には無潅水のみの土壌水分処理をそれぞれ行った畑圃場において供試した. 両年とも出穂までの約1ヵ月間に各6日, サーモグラフィー装置で測定したTcと, 気温計で測定したTaからΔT(Tc-Ta)を得, ほぼ同時にポロメーターで測定した気孔コンダクタンス(gs)との関係を調査した. また, 2002年には収穫期に測定した根系の到達深度との関係も調査した. 2001年には, 測定期間中の平均値でみた品種の順位関係は, それぞれの土壌水分処理区において, ΔT(低い順)とgs(高い順)とで完全に一致していた. しかし, 潅水区におけるそれらの順位は無潅水区とは異なっており, かんばつ回避性を説明するものではなかった. 2002年には, 全ての測定日および測定期間中の平均値で, ΔTに有意な品種間差異が認められ, 深根性の品種ほどΔTは低く, gsは高かった. 以上のことから, 無潅水条件下におけるΔTは, 日本の圃場条件下において, 陸稲のかんばつ回避性を推定評価する指標として有効であると結論した.
  • 高橋 肇, 山口 真司, 張 立, 藤本 香奈, 飯山 豪
    2006 年 75 巻 1 号 p. 68-72
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    本試験では, 北海道育成のコムギ品種ハルユタカを西日本暖地で栽培した場合に粒重が低下する要因を, 九州育成の品種ダイチノミノリとの雑種第1代(F1)粒の粒重を調査することで解析した. F1粒は, 2000/2001年, 2001/2002年および2002/2003年の3シーズンにわたりハルユタカとダイチノミノリとを相反交雑して得たものであり, ハルユタカ, ダイチノミノリそれぞれの穂に着生したものである. F1粒の粒重は, 平均と分散について両品種の自殖粒のものと比較した. ハルユタカに着生したF1粒の粒重は, 3シーズンともその平均値, 分散ともにその母親であるハルユタカに着生した自殖粒の粒重とほぼ一致した. 一方, ダイチノミノリに着生したF1粒の粒重は, 2000/2001年では平均値, 分散ともにその父親であるハルユタカに着生した自殖粒の粒重よりもわずかに小さかったものの, 2001/2002年と2002/2003年では平均値がハルユタカに着生した自殖粒よりも大きく, その母親であるダイチノミノリに着生した自殖粒よりも小さかった. これらのことから, ダイチノミノリのソース能はふつうハルユタカよりも高いものの, シーズンによってはその程度が異なることが伺われた. さらに, ハルユタカは粒そのものに起因する粒重低下を発現する優性遺伝子を有すると考えられた.
研究・技術ノート
  • 山本 晴彦, 岩谷 潔
    2006 年 75 巻 1 号 p. 73-81
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    2004年台風15号は, 9月19日には九州の西海上を通過し, 夜半から翌朝にかけて強い勢力を維持しながら日本海を北東に進み, 青森県の津軽半島に上陸した後, 根室の南東海上で温帯低気圧に変わった. 台風の通過時に伴い相川(佐渡市), 酒田, 秋田でそれぞれ38.3 m/s, 39.6 m/s, 41.1 m/sの最大瞬間風速を観測し, 台風通過時には著しい少雨傾向にあった. このため, 海塩粒子が海からの強風により飛散して稲体に付着し, 通過時の少雨により塩分が洗い流されずに強風により出来た傷から侵入して細胞を脱水させる潮風害が東北・北陸地方の日本海沿岸で発生した. 海岸からの距離と1穂当たりの塩分付着量(mg/穂)の関係には高い負の相関関係が認められ, 海岸付近では2.7~3.2 mgの塩分が1穂に付着し, 海岸から離れるにつれて付着量は減少し, 約1 kmでは2~2.5 mg, 10 kmでは0.5 mg前後まで激減した. 台風15号による農業被害は, 秋田県, 山形県, 新潟県(台風16号・18号を含む)でそれぞれ180億円, 102億円, 72億円で, その中でも水稲の被害額が3 / 4を占めた. 水稲収量の平年比は, 秋田県象潟町での9.0%をはじめ, 県南部沿岸の本荘由利地域, 新潟県の佐渡市で大きく低下した. また, 潮風害の影響が顕著であった新潟県の佐渡地域では規格外が19.8%, 秋田県本荘地域でも11.1%に達し, 品質の低下が顕著に現れた.
  • 高橋 行継, 阿部 邑美, 加部 武, 大島 賢一, 神沢 武男, 吉田 智彦
    2006 年 75 巻 1 号 p. 82-89
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    群馬県東毛地域の気象, 土壌条件, 栽培体系に適合した省力施肥技術の確立を主目的に水稲全量基肥栽培専用肥料について検討した. 溶出タイプや溶出期間の異なる7種類の被覆尿素を用い, 適切な溶出タイプ, 溶出日数の選定及び組み合わせ, さらに速効性肥料との配合比率について様々な試作肥料を供試して検討した. 1996年から5か年間検討を行い, LP70とLPS80及びLP100とLPS100の組み合わせで速効性肥料との配合比率を1 : 1とした試作肥料が基肥+追肥の標準施肥体系と収量・品質面で遜色ないことが明らかになった. これらの結果をもとに地元肥料メーカーと専用肥料について協議を行い, LP70とLPS80を1 : 1で配合し, 速効性肥料との配合比率を1 : 1とすることに決定した.専用肥料は2000年から「ふれあい省力一発型253号」として販売を開始, 現在広く普及している.
  • 中津 智史, 松永 浩, 沢口 敦史, 柴田 秀己, 道場 琢也
    2006 年 75 巻 1 号 p. 90-96
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/27
    ジャーナル フリー
    秋まきコムギ品種ホクシンにおいて低アミロコムギの発生を予測するため, 低アミロ耐性(アミロ値低下の原因であるα-アミラーゼ活性が低アミロ域まで高まるのに必要な降雨日数で, 何日の降雨で低アミロコムギになるかを表す)を休眠性の指標として, 成熟期前後の気象条件との関係を検討した. その結果, 低アミロ耐性は成熟期1週間前からの降雨および気温と負の相関が認められ, 成熟期以降は経過日数および降雨と負の相関が認められた. 連続降雨があった場合, 低アミロ耐性は1日に1降雨日数程度低下するが, 15°C, 20°C, 25°Cでは低温ほど降雨の影響が大きい. これらを組み込んで表計算ソフト上で稼働する予測式を開発した. この予測式は成熟期1週間前からの平均気温, 降水量, 日照時間, 平均湿度を入力すると, 成熟期以降の低アミロ耐性を日単位で計算する. 予測式の圃場採取試料に対する適合度は95%以上と高く, 低アミロ耐性が1降雨日数以上では低アミロコムギ発生の危険性はほとんど無く, 0~1降雨日数では発生の危険性がやや高まり, 0降雨日数未満では低アミロコムギ発生率は大きく高まった. 本予測式は健全なコムギを収穫する適期を高精度に予測可能であることから, 収穫時期を判断する上で重要な情報になり得る.
連載ミニレビュー
  • 近藤 歩, 住ノ江 真悟, 多和田 昌弘
    2006 年 75 巻 1 号 p. 97-99
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/07/06
    ジャーナル フリー
    蛍光染色法は,組織や細胞構造の形態学的解析にとどまらず,細胞小器官や生体分子の動態解析も可能にし,細胞機能を明らかにする上で重要な役割を果たしている.さらに,共焦点レーザー走査顕微鏡(以下,共焦点顕微鏡)の登場により,従来の蛍光画像に精細さや立体的な視野が付与された.近年,生物系分野の学術誌の表紙にも蛍光画像図で飾られたものが多く見受けられ,その鮮明な図に思わず目を留めたことのある人も少なくないであろう.このような蛍光画像図の大半は,共焦点顕微鏡によって得られたものである.いまや共焦点顕微鏡は,細胞レベルの研究分野では欠かすことのできない装置のひとつになりつつある.本稿では,共焦点顕微鏡の原理およびその代表的な用途について紹介する.
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