大学図書館コンソーシアム連合(略称,JUSTICE: Japan Alliance of University Library Consortia for E-Resources)は,電子的資料の安定的確保と提供に向けての購入・利用条件にかかる取り組みをはじめとする幅広い活動を展開しているが,大学図書館を取り巻く環境が大きく変化している中にあっては,なお,その視野に入れるべき活動範囲の拡大が期待されている。本稿では,JUSTICEの契約状況調査結果の概要も参照しつつ,国内大学の電子リソースの導入状況を概観し,設立3年目にして新体制に移行したJUSTICEの活動状況と新たな課題に触れる。
Linked Dataは,2013年8月にシンガポールで開催されたIFLA World Library Information Congressで最も話題となっていたテーマの一つである。本稿では,Linked Dataに関するサテライト・ミーティングで発表された各国の事例等を紹介し,Linked Dataが大学図書館で実際に活用されるようになった場合のインパクトとそれによる業務の変化について考察する。また,IFLAは,Linked Data以外にも,様々な課題に取り組む多くの図書館員のグローバルな実践コミュニティ活動に支えられている。中でもユニークな取り組みを行っている,新しい図書館員を支援するネットワークとしてNew Professionals Special Interest Groupの活動を紹介し,日本の大学図書館員がこのようなグローバルな活動に関わる可能性について述べる。