大学図書館研究

小特集：知の変容と大学図書館

小特集「知の変容と大学図書館」に寄せて

堀浩一

2017 年 107 巻論文ID: 1700
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1700

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「知の変容」は時々耳にするのであるが、それは別に今始まったことではなさそうである。一人の人工知能研究者の立場から、知の変容に関わりそうな話題を振り返り、大学図書館の今後の姿にも少しだけ言及してみる。

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「知」のメディア，科学の制度化，そしてオープンサイエンス－コミュニケーション様式の変化と大学図書館－（1）

深貝保則

2017 年 107 巻論文ID: 1701
発行日: 2017/12/29
公開日: 2018/01/27

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1701

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情報ネットワーク化の急速な進展のもとで，図書館の役割も学術研究の流儀も，相応に変化しつつある。図書館のスタッフたちは機関リポジトリの活用と並んで，電子的コンテンツのデータ登録について周到な工夫を施しつつある。だが，学術情報の共有について進展を図るという昨今の課題の遂行とともに，むしろそれ以上に，同時的双方向的に討論することが可能となったことの積極的な意味を捉えておくことが重要である。２回連載のこの論説の前半では，17世紀ヨーロッパを舞台とする科学革命以来の「知」の交換と公刊の様式の変遷に注目して，学術コミュニケーションの多層的な進展の可能性を考える。

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記憶するラーニング・コモンズ

「電子図書館」と「場所としての図書館」を接合する図書館像の提案

常川真央, 小野永貴

2017 年 107 巻論文ID: 1702
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1702

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大学図書館のサービスは，資料中心型から利用者の活動中心型へと変容した。これからの大学図書館は，利用者の知的生産活動をいかに捕捉していくかが鍵を握る。知的生産活動を捕捉することは，必然的に「電子図書館」と「場所としての図書館」を接合させる。これを達成する新たな図書館像として，学習活動自体を「コト」の情報として保存・発信できる「記憶するラーニング・コモンズ」を提案する。本構想を実現するには，メタデータ技術からセンシング技術まで，多様な情報技術の統合的活用が不可欠である。図書館のシステム設計に対する考え方を転換し，学生の学習活動全体を支える連続的なプラットフォームの一部として捉えることが重要である。

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論文

筑波大学中央図書館ラーニング・コモンズにおける大学院共通科目「ザ・プレゼンテーション」の実施

松原悠, 斎藤未夏, 石津朋之, 大山貴稔, 佐藤まみ子, 新村麻実, 野村港二

2017 年 107 巻論文ID: 1703
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1703

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筑波大学中央図書館のラーニング・コモンズ「ラーニング・スクエア」では，2015年10～12月，オープンなスペースである「グループ学習スペース」において，大学院生対象の授業科目「ザ・プレゼンテーション」を10回にわたり実施した。講師と受講者を対象に調査したところ，ラーニング・スクエアは，開放的で立ち寄りやすいという点が評価されている一方で，周囲の目や音が気になるため授業への集中が妨げられるという側面もあり，活発な議論や発表の場として活用するには課題が存在することが明らかとなった。

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図書館におけるミニレクチャプログラムの開発と評価

吉田塁, 栗田佳代子, 阿部卓也, 鈴木祐介, 松本侑子

2017 年 107 巻論文ID: 1704
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1704

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現在，大学図書館には，学習支援，研究支援，機関連携など様々な機能が求められている。また，高等教育においては教育の質保証が求められ，大学教員を目指す大学院生の教育力向上の取り組みであるプレFDが始まっているが，授業実践の機会が少ないことが問題として挙げられる。そこで，本研究では，大学図書館に求められる機能を実現しつつ，プレFDの問題の解決を目指す，大学院生が図書館にてアクティブラーニングを取り入れた模擬授業（ミニレクチャ）を実施する図書館ミニレクチャプログラムの開発と評価を行った。質問紙調査の結果，参加者は全体的に高い満足度を示し，講師も授業改善の良い機会になったと高く評価しており，本プログラムの有用性が高いことが示された。

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電子リソースの利用統計に関する調査報告

インタビュー調査にもとづく英国の大学図書館の活用事例および日本国内の動向について

末田真樹子

2017 年 107 巻論文ID: 1705
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1705

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英国における電子リソースの利用統計についてその活用事例を報告し，日本における利用統計の現状と可能性について検討する。本稿は平成28年度に実施したインタビュー調査に基づき，電子ジャーナル・電子ブックの利用統計を一元的に提供するJournal Usage Statistics Portal （JUSP）の現状と課題，各図書館におけるJUSPの利用状況，利用統計を中心とした電子リソース管理について報告する。JUSPは意思決定において，利用統計を活用できるように設計されており，参加機関は各状況に応じて利用している。最後に国内の利用統計および電子リソース管理業務の動向についても概観する。

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シンガポールの研究大学における大学図書館の研究支援

寺島久美子

2017 年 107 巻論文ID: 1706
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1706

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本稿では2016年11月に南洋理工大学（NTU），シンガポール国立大学（NUS），シンガポール経営大学（SMU）で実施したインタビュー調査に基づき，シンガポールの大学図書館での研究支援について報告する。NTU図書館はオープンアクセス義務化やリサーチデータポリシーに対応してきめ細かなサポートを行い，NUS図書館は研究サイクル全体を支援する組織を立ち上げ，SMU図書館は商用の研究マネジメントツールを導入して研究情報登録の効率化を図っていた。シンガポールの大学図書館は先進的な研究支援サービスを提供し，研究成果の可視化に貢献していた。

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平成28年度国立大学図書館協会東京地区協会研修会「ユーザーに届く図書館広報」の企画から得たもの

片岡朋子, 木立梢子, 竹内夏奈子, 富田さわ子, 新見槙子, 牧美穂子

2017 年 107 巻論文ID: 1707
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1707

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平成28年度国立大学図書館協会東京地区協会では，平成29年2月14日に「ユーザーに届く図書館広報」と題する研修会を開催した。東京地区協会の構成機関から6名の職員が研修企画委員として参画し，研修会の企画立案から準備，開催までを担当した。本稿では，研修会の実施内容及び企画運営から得られた成果について報告する。

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国際図書館コンソーシアム連合（ICOLC: International Coalition of Library Consortia）－2016年会合参加報告－

矢野恵子, 堀越邦恵, 長坂和茂

2017 年 107 巻論文ID: 1708
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1708

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1996年に発足した国際図書館コンソーシアム連合（ICOLC）は，現在年2回の会合を北米と欧州で開催している。本稿では，ICOLCについて，その歴史や現在の活動について概観した後，2016年の北米（アメリカ・ロサンゼルス）および欧州（オランダ・アムステルダム）会合の内容を報告する。出版社交渉の状況報告や価格上昇率調査結果報告，ベンダー（出版社）セッションなど，北米と欧州で共通する議題もあるが，各地域のコンソーシアムの特性にあわせたトピックが多く取り上げられており，北米・欧州会合にはそれぞれの特徴が見られる。

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新館紹介

電気通信大学附属図書館「UEC Ambient Intelligence Agora」

人工知能研究との協働による知能化されたアクティブラーニング空間の構築

上野友稔, 中田はるみ, 村田輝

2017 年 107 巻論文ID: 1709
発行日: 2017/12/29
公開日: 2017/12/29

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1709

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編集後記

編集後記

伊勢幸恵

2017 年 107 巻論文ID: 1710
発行日: 2017/12/29
公開日: 2018/01/27

DOIhttps://doi.org/10.20722/jcul.1710

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