大学図書館研究
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54 巻
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 岩猿 敏生
    1998 年 54 巻 p. 1-8
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    戦前のわが国の大学図書館研究は一般的に不振であった。本論ではその理由を,館種別意識の未成熟と,とくに旧制高校,高専図書館に関する法規の不備に見る。そこから起ってくる諸問題のうち,当時の論文でとくに論じられた図書館関係法規及び司書職制の制定と養成制度の確立要求,さらに公開の問題を中心に,戦前の大学図書館員の問題意識を探ろうとするものである。

  • 朱 麗娜
    1998 年 54 巻 p. 9-17
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    中国の大学図書館におけるレファレンスサービス業務の内容は,主に学内外利用者の特定文献や特定主題に関する情報の要望にもとづいて,自館が所蔵する文献を提供したり,自館が所蔵しない場合は,図書館間現物貸借・複写サービス及びオンライン検索など進んだ方法によって必要な文献を提供することが一般的である。このようなレファレンスサービス業務は,徐々に中国の大学図書館における情報サービス業務の中核に成りつつあり,今後ともその役割が一層強化され深まっていくであろう。

    私は幸いにも1997年10月から1年間,明治大学図書館に研修生として受け入れられた。研修テーマは,「大学図書館の科学的管理」及び「文献サーチ・サービス」で,大学図書館における業務システムとレファレンスサービスについて学んでいる。レファレンスの基本は同じであっても,その質や深化の度合いにおいて,中国の水準は日本のそれに遥に遅れをとっていることを痛感させられた。本稿ではこの間の経験を踏まえながら,中国の大学図書館におけるレファレンスサービス及び学術情報ネットワークの現状を紹介し,今後の展望について考察する。

  • 済賀 宣昭
    1998 年 54 巻 p. 18-32
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    今日の情報化の流れは,1)メインフレーム中心時代,2)パソコン中心時代,3)ネットワーク中心時代,4)コンテンツ中心時代の4つの流れに区分できる。それぞれの時代には,情報産業における産業構造の変化,パラダイム変化を背景にシステム形態の変化が連動し,情報化社会は現在進行中のネットワークの時代から,コンテンツの時代へと移行しつつある。これは見方を変えれば,ハードからソフトヘ,ソフトからネットワークインフラヘ,ネットワークインフラからエンドユーザヘとその主導的位置を移しているとも捉らえられる。来るべきコンテンツの時代に図書館の果たすべき役割も大きい。

  • 平尾 行藏, 布目 和美, 白石 幸男, 静谷 裕美子
    1998 年 54 巻 p. 33-42
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    一般教育課程の1年生,6学部5,500名を対象に情報リテラシー教育をどのように行うか。慶應義塾大学日吉メディアセンターでは,中長期目標を設定し,段階を踏んだ情報リテラシー浸透作戦を開始した。第1段階は図書館とコンピューターの利用についてのオリエンテーション,第2段階は蔵書検索システム(OPAC)セミナー,第3段階は授業内での「情報リテラシー入門」である。利用者教育から情報リテラシーへの変化を米国における議論を参考に跡付け,日吉メディアセンター自身の利用指導の歴史を振り返って,カリキュラムとの連携を重要な観点として持つに至った。1998年度は3学部の授業内で入門編として講義「情報リテラシー入門」を担当している。入門編の内容について提案する。

  • 慈道 佐代子
    1998 年 54 巻 p. 43-54
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    平成10年から,京都大学附属図書館が提供部局になって全学共通科目「情報探索入門」を開講した。長尾真総長が,図書館長時代に授業計画の提案をされ,何度も話し合いを重ねることによって実現に至ったものである。講義は長尾総長を先頭に,5人の教官がリレー式に担当し,最後に菊池光造図書館長が締めくくった。各講義に対応して演習をもうけ,図書館職員は演習を担当する形で参加したことに大きな意義がある。13回にわたって講義と演習が行われたが,アンケートの結果は大変好評であった。

  • 上原 恵美
    1998 年 54 巻 p. 55-65
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    大学教育においては,いわゆる情報リテラシーを身につけた学生を養成することが社会から期待されている。また一方,大学図書館においては情報社会の進展とともに,さまざまな情報メディアによるサービスが求められ,それらの要求に対応できるかどうかが,今後の図書館のありようを方向づける「試金石」ともなっている。その様ななか平成9年4月,琉球大学附属図書館では電子情報係設置とともに情報リテラシー教育を開始した。当初はCD-ROMデータベースサービスの定着を目的とした利用者教育であったが,実際に取り組む過程で,図書館における情報リテラシー教育は,情報メディアを総合的にプログラム化して取り上げる必要があるということを学び,さらに大学カリキュラムにこれを組み込んでいく必要性に気づいた。情報リテラシー教育は,問題解決型教育への転換を求められている大学教育を支援するものとして,図書館や図書館職員は大学全体に貢献できるのではないかと思われる。

  • 坂本 江見, 村井 忠邦
    1998 年 54 巻 p. 66-74
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    近年,人文社会系の研究者間で古文書等貴重資料のディジタル化の要望と共に,インターネット上で検索・表示が可能なデータベースサービスシステム,いわゆる電子図書館への期待が高まっている。しかし,蔵書や資料のデータベースの具体的な公開手法や,これらの蓄積された膨大なデータを効率よく利用できるシステムの構築についての報告がほとんど見られない現状である。本論文では,富山大学附属図書館における電子図書館化の試みを例として挙げ,1)アンケートによる人文社会系研究者のネットワーク利用頻度と貴重資料のディジタル化に対する意識調査,2)富山大学の所蔵する貴重資料のデータベース化の試みを示すと共に,3)ネットワーク・エージェントの1手法として,データベースのタイトルや内容を一元管理するデータベース情報の新しい管理法を提案している。

  • 山田 律子
    1998 年 54 巻 p. 75-81
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル オープンアクセス

    資料保存の問題が議論されるようになって久しいが,これを図書館の政策として事業を展開し,成果を上げている例は未だ非常に少ない。殊に近年図書館界は総力を挙げて電子図書館化を図らなければならない状況下にあり,資料保存の重要性は認めつつも,多くの図書館では当面の問題として取り上げるゆとりがないというのが実状である。事情は本館も全く同様であるが,今回貴重図書の整理作業の機会を捉えて西洋古刊本の修復を試みた。この事例報告と,書物修復家岡本幸治氏の,この事例についての批評を併せて報告し,図書館における資料保存事業のあり方について改めて考えてみたい。

編集後記
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