学術情報電子化の嵐は大規模図書館のみならず,小規模図書館にとっても大きな試練である。しかし,見方を変えれば,大学図書館が直面している研究・教育支援活動における様々な限界を打ち破る絶好の機会でもある。例えば,大学図書館が個々に着手している電子図書館化推進計画を,コンソーシアムによってさらに大きく推進させることができれば,予算の有効利用,サービスの向上に大きく貢献することができる。
コンソーシアムの定義,そのメリット・デメリットについて論じられる際に,必ずといってよいほど指摘されるのが,主として契約に関わる会計的な問題である。確かに,大学図書館も出版社も,まだ各々の諸条件を明確に整理できる時期ではない。しかし,そのような状況であっても,会計規則に則り,ケースバイケースで取り組んでいくことは必ずしも不可能ではない。
その一例として,現時点で長岡技術科学大学が参加しているいくつかのコンソーシアム型共同利用を紹介する。コンソーシアムを積極的に検討しながらも,実務面での壁に直面している大学図書館の参考になるよう,特に契約における実務を中心として紹介する。
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