大学図書館コンソーシアム連合(略称,JUSTICE: Japan Alliance of University Library Consortia for E-Resources)は国立大学図書館協会コンソーシアム(JANUL コンソーシアム)と公私立大学図書館コンソーシアム(PULC)との連合による新たなコンソーシアムとして,2011年4月1日に発足した。JUSTICEの活動の重点は,2つのコンソーシアムを統合したことによる交渉力の増強を背景とした出版社交渉を通じて,電子ジャーナルをはじめとする電子的な学術情報の共同購入(共同ライセンシング)を推進することに置かれているが,それにとどまらず,電子リソースの管理と提供のための基盤整備,ナショナルコレクションの拡充,長期保存とアクセス保証,及び人材育成といった幅広い活動も視野に入れている。本稿では,JUSTICE誕生の背景,経緯,及び現在の活動状況について概観し,さらに将来的にJUSTICEが目指している方向についても触れる。
国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC:International Coalition of Library Consortia)の会合は,年2回,春に北米,秋に欧州で開催されている。米国テキサス州オースティンで開催された第23回会合は,電子リソース価格調査,電子ジャーナルの価格モデル,PDA,電子ブック,ディスカバリー・サービス等をテーマとした全体討議やテーマ別分科会の他,ベンダーグリルの全19セッションから構成されていた。本稿ではその概要について報告する。