日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
Print ISSN : 0914-5133
34 巻, 1 号
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教育実践
  • 山本 南奈, 大城 希美子, 畠山 純子, 廣松 亮, 村上 弘, 松本 典祥, 水上 正彦, 松崎 英津子, 吉永 泰周, 泉 利雄, 阿 ...
    2018 年 34 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 福岡歯科大学では, 平成25年より診療参加型臨床実習の学生を対象に大学独自の課題を設定し, 臨床実習における総括的評価を行っている. 平成26年度は総括的評価として大学として4つの課題を実施した. そのうちの1つの課題は, 口腔治療学講座 (歯周病学分野, 保存学分野) が担当した『口腔清掃補助器具の使用法を適切に指導できる』であった. 試験は, 学生が福岡歯科大学医科歯科総合病院にメインテナンスのために来院する患者のPCR (Plaque Control Record) の結果を分析し, 口腔清掃補助器具の使用法についてチェアサイドでデモ用歯間ブラシ, 顎模型と説明用の白紙を用いて20分以内に患者に説明を行うという内容である. 試験終了後, 患者には学生の口腔清掃補助器具の説明内容についてのアンケートが実施された. 試験終了後, 学生は直ちに評価者二人からフィードバッグを受けるという方法で実施された. 試験後に行われた患者アンケートの結果, 患者が歯科医師もしくは学生に求めるものは, 『技術』が26%, 『経験』が17%となった.

     本試験では, 直ちに評価者からのフィードバックがあることで, 学生は強力な気づきを得ると推察された. 気づきを得ることで学生は, より患者が求める理想的な歯科医師に近づくことが可能となると考えられる. 今後は, より豊かな経験と技術の体得ができる臨床実習となるよう, さらなる指導法の改良が求められる.

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