口腔衛生学会雑誌
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22 巻, 4 号
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  • 第2報 18F, 113Snによるフッ化物配合歯磨剤の歯牙表面へのフッ素, スズのとりこみ量と耐酸性効果に関する研究
    赤田 弘正, 樋出 守世, 岡田 昭五郎, 永井 充
    1972 年 22 巻 4 号 p. 367-374
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/27
    ジャーナル フリー
    放射性の18F, 113Snで標識したNa18F, 113Sn2P2O7を配合したフッ化物水溶液および歯磨剤を作り, 健全エナメル質表面に作用させた場合の, とりこみフッ素量, スズ量を測定し, その耐酸性効果を比較検討した。
    使用した薬液の組成は, (a): 0.2%NaF水溶液 (pH7), (b): 0.2%NaF-0.1M・H3PO4水溶液 (pH4.2, 3.5, 3.0), (c): (b) の歯磨剤 (pH4.2), (d): 0.2%NaF-0.1M・H3PO4-1%Sn2P2O7水溶液 (pH4.2), (e): (d) の歯磨剤 (pH4.2), (f): 0.2%NaF-0.1M・H3PO4-0.1%Sn2P2O7水溶液, である。なお, (c), (e) の歯磨基剤はIMP (不溶性メタリン酸ナトリウム) である。
    その結果, 中性NaF水溶液を作用させた場合に比べて, これにリン酸を加えてpHを低くした場合は, フッ素のとりこみ量が著るしく増加した。このNaF-H3PO4に歯磨剤成分を配合した場合およびSn2P2O7を加えた場合は, NaF-H3PO4水溶液作用の場合に比べてフッ素のとりこみ量は減少した。しかし, エナメル質の耐酸性はSn2P2O7を添加した場合には増強された。Sn2P2O7をNaF-H3PO4水溶液または歯磨剤に配合した薬液では, 調製後日数を経過した薬液を作用させると, スズのとりこみ量の減少がみられ, 耐酸性も減弱することが認められた。これらの水溶液または歯磨剤を反復作用させることにより, フッ素, スズのとりこみ量は増加の傾向が認められた。
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