口腔衛生学会雑誌
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25 巻, 1 号
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  • 滝本 洸
    1975 年 25 巻 1 号 p. 1-29
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    従来より歯刷子の機械的作用, 歯磨剤のいわば物理的作用により, 口腔清掃は, 日常の習慣として行なわれているが, 最近の齲蝕歯周疾患の増大からわかるとおり十分とは言いがたい。
    本研究は, これら従来の機械的, 物理的作用にさらに化学的, 生化学的なアプローチも必要と考え, その効果が期待されるDextranaseを歯磨剤に添加し, 上記薬剤を含有しない歯磨剤を対照として, その有効性, 安全性について検討した。
    有効性の実験についての研究対象および方法としては, 健康な成人女子58名を選び, その中の29名にはDextranase添加の歯磨剤を, 残り29名にはDextranase非添加の歯磨剤を1ヵ月間連続使用させた。そして, 1週間おきに5回, 健康診断を行ない, DI, CI, OHIおよびP.H.P. の各indexを観察した。その結果, Dextranase添加の歯磨剤の効果は, 対照歯磨剤に対して統計的に有意差を示した。また1ヵ月の連続使用において自・他覚的症状に何ら口腔内異常も認められなかつた。
    口腔粘膜への安全性については, 健康な成人女子115名を選び, これを2群に層別して, 有効性実験と全く同一のDextranase添加の歯磨剤および対照歯磨剤を与え, 使用の3時間後に, 自・他覚的症状を観察した。続いて1週間後に2群の被検者を交叉させて, 同様に3時間後に観察した。
    その結果自・他覚的症状に, 口腔内の痛み, 口腔内の違和感および口腔内の粘膜剥離現象などのような口腔内の異常症例は何ら認められなかった。
    以上の結果からDextranase添加の歯磨剤は, 歯垢除去としての効果は, 十分に期待できるものである。
  • 寿 武一郎, 井上 昌一, 森岡 俊夫
    1975 年 25 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    土壌より分離したStreptomorces globisporus 1829株由来の溶菌酵素は齲蝕原性細菌並びに歯苔細菌に強い溶菌作用を有している。
    本研究はこの溶菌酵素の歯面における作用機序を知る目的でヒト及び牛の歯牙エナメル質粉末並びにハイドロオキシアパタイトへの本酵素の吸着および溶出の有無, 唾液で前処理したハイドロオキシアパタイトへの本酵素の吸着及び溶出について検索した。
    溶菌酵素は0.005M燐酸緩衝液, pH6.8中でヒト・牛エナメル質粉末及びハイドロオキシアパタイトのいずれにも吸着され, また0.1M燐酸緩衝液pH6.8によって吸着量の約1/2が溶出された。又ヒトの混合唾液で前処理し, リゾチームを含む唾液蛋白が吸着されたハイドロオキシアパタイトに更に溶菌酵素を吸着させても溶菌酵素の吸着は認められた。この場合溶菌酵素の溶出操作によってリゾチームも溶出されその結果溶菌酵素活性は増強された。
    これらの成績は, 本酵素がin vivoにおける歯苔のコントロールに効率的に作用しうることを示唆するものである。
  • 境 脩
    1975 年 25 巻 1 号 p. 37-52
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    新潟県下の8小学校, 3中学校の学童生徒851名を対象に, 電算機により永久歯皆報のファイリングを行なった。これは昭和45年4月から現在昭和49年4月まで5年間のデータを各学童, 各歯牙, 各歯面単位で行なったもので, 内容は各学童についての所属施設, 入学年度 (年齢), 個人識別のための一連番号, 性別などであり, さらにデータ識別として検査年度, 歯種さらに欠席, 転出などの不在情報, 歯牙状態を示すものとして萠出状態, 各歯面の情報としてう蝕状態, 歯垢の付着状態などである。
    このファイリングシステムは5つの機能の異るなプログラムから成る。具体的には歯牙検診によるカルテの作成カルテ内容のコード化と入力カードフォーマットの設計, 電算機によるデータの入力と誤情報の検出, データの集積, 分類配列, 修正, 削除, 追加などのファイルメインテナンス, テープなど外部記憶装置によるデータの集積と保管である。
    学童に多発するう蝕を中心とした疫学的研究手段の1つとして, 電算機による学童の永久歯の経年観察データのファイリングについて, そのファイル作成上および利用上の方法, 問題対策, 効果などにつき考察した。
  • 林 昭三
    1975 年 25 巻 1 号 p. 53-62
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    歯石中には微量元素が多数含まれているが, それらの検出には現在のところ一致した見解がみられない。このため, 歯石中の微量元素のうち, とくにMn, As, Cd, Hgを放射化分析法により検出し, それらの量的把握を試みた。
    実験結果は次のようである。
    1) Mn, As, Cd, Hgの放射化分析法および放射化後の元素の化学的分離法は, 理論の点, 分析操作の面で, 未だ十分確立されていない。
    このため, Mnの定量には非破壊放射化分析法を行ない, As, CdおよびHgに対しては放射化分析後, 各元素を化学的に分離する方法を行なつた。
    2) 基礎実験では, 標準試料と各試料を一定条件下で中性子照射し, 定量値の測定をおこない, 76Mnは0.874 MeVのγ線スペクトル, 76Asは0.549 MeVのγ線スペクトル, Cdは115mIn 0.335 MeVのγ線スペクトル, 203Hgは0.274MeVのγ線スペクトルの立上がりの点で, それぞれ歯石中のγ線スペクトル線の一致をみた。
    3) 東京, 大阪, 富山, 新潟の4ブロックに分け, 各地区における住民の歯石中のMn, As, Cd, Hgの検出を試みた結果, 各地区で異なる結果を得たが, 何れの地区でもMnの含有量が最も多く, Asは最も少なかつた。
  • 米満 正美, 大西 正男
    1975 年 25 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
    実験1: 本学付属衛生士学校の学生20名の3 3部唇舌側平滑面及び臼歯部小窩裂溝から歯垢を採り, う蝕病原菌であるStr. mutansのTotal streptococcusに対する比率を調べた。3 3部平滑面からはStr. mutansは全く検出されなかったのに反し, 臼歯部小窩裂溝からは100%検出されStr. mutans/Total Str. (×100) は29.30±27.34であった。
    実験2: 予防歯科外来患者20名 (19歳~52歳) の3 3部唇舌側平滑面, 3 3部centact pointを有する隣接面及び臼歯部小窩裂溝から歯垢を採り, 実験1と同様に調べた結果, 検出者率で3 3部平滑面は0%, 3 3部隣接面は20%, 臼歯部小窩裂溝は65%であった。また3 3部隣接面のStr. mutans/Total Str. は臼歯部小窩裂溝でのそれの約1/8であった。
  • 1975 年 25 巻 1 号 p. 70a
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 25 巻 1 号 p. 70b
    発行日: 1975年
    公開日: 2010/03/02
    ジャーナル フリー
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