環境化学
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3 巻, 2 号
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  • 今川 隆, 山下 信義, 宮崎 章
    1993 年 3 巻 2 号 p. 221-230
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    市販の試薬を用いてポリクロロナフタレン (PCNs) の特定の異性体を簡便に合成する方法を利用して, 16のテトラクロロナフタレン異性体を単独に合成した。残りの異性体もペンタクロロナフタレンの紫外線による脱塩素生成物などの形で生成させ, 同定した。また, 四置換ナフタレンの塩素置換で副生するペンタクロロナフタレンについては, 可能な塩素置換位置を解析する方法で, ペンタクロロナフタレン異性体全てを同定した。都市ゴミ焼却フライアッシュ試料中の各異性体の含有率を測定した結果, ここで供したフライアッシュ中に含まれるPCNs異性体は1, 2, 3, 6, 7-異性体が多いなど特徴あるパターンを示した。また, PCNs製剤であるハロワックスでは, 異性体分布は大きく異なった。燃焼により生成する一部の異性体は, 製剤中含有率が非常に低いため, 燃焼起源の汚染物質としての指標となる可能性を明らかにした。
  • ―POEアルキルエーテルとPOEアルキルフェニルエーテルの高感度検出法―
    礒 節子, 中村 忠, 内原 博, 池田 昌彦
    1993 年 3 巻 2 号 p. 231-237
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    ODSを分離カラムとしアセトニトリルを溶離液としてPOE系非イオン界面活性剤を分離した。POEアルキルエーテルはRI検出器で100ppm, POEアルキルフェニルエーテルはUV検出器で5ppmが限界であった。溶出液をフッ素樹脂コーティングした鏡面金属板に滴下すると, 溶媒の蒸発に伴い約2分後には局所に集中しその液滴の外径は滴下直後と比較し1/100程度に集中濃縮される。この残渣を顕微FTIRで反射測定すると赤外スペクトルが得られる。アセトニトリル中の不純物はHPLCポンプの直後にODSカラムを設置することで減少し, 1ppmのPOEアルキルエーテルとPOEフェニルエーテルとの判定が可能となった。
  • ―淀川および大和川水系・大阪市内河川・大阪湾―
    山本 耕司, 福島 実
    1993 年 3 巻 2 号 p. 239-251
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1970年代後半と1990年前後の低沸点有機塩素化合物の淀川および大和川水系, 大阪市内河川, 大阪湾での濃度レベルと分布の比較を行った。1970年代後半の淀川および大和川水系では, 流域に点在する高濃度発生源からの負荷が直接水系に反映されているのに対し, 1990年前後では流域の分布に偏りを生ずる高濃度発生源がなく本川の分布はほほ均一であった。大阪湾は周辺での都市活動によって生じた負荷全体を反映し, 個別の発生源からの偏りが平準化され, 各物質の濃度順位はほぼ測定年の生産量の順位に従った。
    トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンの生産量が横ばいで, 1, 1, 1-トリクロロエタンの生産量が急激に増加しているにもかかわらず, 1990年前後の水系でのこれらの濃度は1970年代後半に比べ極端に低い値を示した。これは基準値の設定とそれに伴う環境への放出量の減少によるためであると考えられた。1970年代後半と1990年前後の四塩化炭素とクロロホルム濃度に大きな変化は認められなかった。四塩化炭素はフロンの原料で, 環境への放出量そのものが小さいと考えられた。クロロホルムの使用に伴う環境への放出量は四塩化炭素と似かよっている。しかし, 水系での濃度はその生産量と放出量のわりに他の物質に比べ高い値を示し, 下水処理場からの負荷が無視できないことが明らかとなった。
  • 近藤 秀治, 村田 清康
    1993 年 3 巻 2 号 p. 253-259
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    水中のトリクロルホンとアセフェートの分析法について検討を試みた。トリクロルホンについては, Sep-Pak plus PS-1を, アセフェートについは活性炭カートリッジを前処理に用いた。また, 検出方法としては, トリクロルホンについては, オンカラム注入法によるGC/ECD法を, アセフェートについては, シリル化した注入口インサート, シリンジを用いたGC/MS法を採用したところ, 良好な結果を得た。また, 実際の河川水を用いた添加回収実験では, 0.5μg/lレベルで良好な回収率が得られた。
  • 小野寺 祐夫, 町田 三一, 山尾 和也, 岩崎 達行, 錦織 宏介, 荒井 克憲
    1993 年 3 巻 2 号 p. 261-270
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    地表水又は地下水中の有機リン農薬を分解・除去する為のモデル実験として, ミニプラント実験装置 (12L) を使用してオゾン曝気, UV照射およびオゾン曝気/UV照射併用処理した場合の有機リン農薬 (初濃度, 4mg/L) の挙動を検討した。この実験では7種の有機リン農薬 (ベンスリド, ブタミホス, イソフェンホス, クロロピリホス, EPN, フェニトロチオンおよびトリクロルホン) を試験した。
    有機リン農薬水溶液をオゾン処理するとP=S型からChE阻害活性の高いP=O型へ速やかに変化したが, 酸化生成物の残留する傾向が認められた。UV照射のみによる処理では分子中のリン酸エステル結合の開裂反応が観察された。これに対し, オゾン/UV併用処理ではP=S型からP=O型への変換および続くリン酸エステル結合の開裂反応が速やかに進行することがわかった。反応はいずれも一次式に従い, オゾン (0.74, g/L/h) およびUV (48W) 併用処理したときの有機リン農薬 (pH7, 20℃) の半減期はいずれも20分以内であった。
  • 深谷 治彦, 林 永二, 早川 由夫, 馬場 甫, 垰田 博史, 尾崎 利彦, 阿部 隆
    1993 年 3 巻 2 号 p. 271-277
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究では, 代替ハロン候補化合物としてペルフルオロアミン系化合物の合成を行い, さらにそれらの環境影響評価及び消火性能評価を行った。
    臭化ペルフルオロアルキルアミンの合成では, まず電解フッ素化法により酸フロリドを合成し, ついで臭化リチウムとの反応により酸プロミドとし, さらに光化学反応により目的とする臭化物を合成した。電解フッ素化を除き, いずれの反応もほぼ定量的に進行することがわかった。分解性評価に関しては, ペルフルオロ (ジメチルアミノメチルブロミド) は, ハロン2402よりも, 分解しやすいことがわかった。また, 消火性能に関しては, ペルフルオロトリエチルアミンの場合, ハロン1301と同程度の消火性能を持っていることが明らかとなった。
  • 劒持 堅志, 鷹野 洋, 肥塚 加奈江, 荻野 泰夫, 森 忠繁
    1993 年 3 巻 2 号 p. 279-293
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    環境庁保健調査室が実施している「水質, 底質モニタリング調査」対象物質であるHCH類, DDT類, クロルデン類, ジクロロベンゼン類, ターフェニル類, ディルドリン, HCB, TBP, BHT, ベンゾ (a) ピレン等20物質の分析法の検討を行った。
    水質では, ヘキサン抽出と5%含水シリカゲルミニカラムクロマトグラフィーを用いた分析法を, 底質では, アセトニトリル抽出を行った後, 5%含水シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び活性炭カラムクロマトグラフィーによるクリーンアップ法を検討し, 良好な回収率と検出感度を得た。
    また, 空試験値 (ブランク値) の安定性を検討する方法として試料採取量を変化させる試料添加法を検討し, この方法が空試験値の評価方法として有効なことを見いだした。
  • 石川 精一, 末冨 良次
    1993 年 3 巻 2 号 p. 295-304
    発行日: 1993/05/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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