環境化学
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8 巻, 3 号
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  • Sumito MATOBA, Masataka NISHIKAWA, Okitsugu WATANABE, Yoshiyuki FUJII
    1998 年 8 巻 3 号 p. 421-427
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    Concentrations of trace elements in an ice core obtained in the polar region have been determined by inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS) . For trace metals in the ice core, sample uptake and high sensitivity for analysis are also important due to the limited volume of sample and the low concentrations of analytes. A desolvated micro-concentric nebulizer (MCN-6000), which is a recent development and offers high nebulizer efficiency at low sample consumption volume, in combination with ICP-MS, permitted multi-element determination of ppt levels of Al, V, Cr, Fe, Cu, Zn, As, Ag, Cd, Pb and U within a 2ml sample from a ice core obtained from the Vestfonna ice cap (89° 58' N, 21° 02' E) in Nordaustlandet, Svalbard. The contamination on the ice core exterior was removed with a stepwise melting process. The concentrations of Al, Fe, Cu, Zn and Pb were determined from the results of this analysis.
  • Matt J. HENGEL, Charles R. MOURER, Takayuki SHIBAMOTO
    1998 年 8 巻 3 号 p. 429-433
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    An analytical method for the determination of 2-methyl-4-chlorophenoxybutyric acid (MCPB) and its primary metabolite 2-methyl-4-chlorophenoxyacetic acid (MCPA) residues in peas was developed utilizing liquid-liquid partitioning, derivatization of acids with diazomethane, Florisil® column cleanup, and gas chromatography/mass spectrometry. Method validation recoveries from various pea matrixes (peas without pods, peas with pods, and dry peas) ranged from 69-108% for MCPB and 60-94% for MCPA, over four levels of fortification (0.01, 0.10, 0.50, and 1.0 ppm) . Control and MCPB-treated pea samples collected from six IR-4 (USDA, Interregional Research Project No. 4, Minor Use Pesticide Registration Program) field sites had residue levels less than 0.01 ppm, except for one that had 0.017 ppm. The method was validated down to the limit of quantitation at 0.01 ppm and to the limit of detection at 0.0045 ppm.
  • 門上 希和夫, 陣矢 大助, 岩村 幸美, 谷崎 定二
    1998 年 8 巻 3 号 p. 435-453
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    285種の化学物質を対象に北九州市沿岸海域の調査を1年間行った。その結果, 次の結果を得た。 (1) 検出物質は, 12種の内分泌撹乱物質を含む179物質であり, その多くは, 廃棄物処分場浸出水からの検出物質と重複していた。 (2) 洞海湾の工場や下水処理場が, 主な化学物質発生源であり, その影響は関門海峡まで及んでいた。 (3) 洞海湾内の主要な汚染物質は, コークス製造工場が発生源と推定される多環芳香族炭化水素やクロロベンゼン類, 芳香族アミンなどの有機合成原料であった。 (4) 自動車由来と考えられる2-ニトロフェノールやベンゾチアゾール類が, 全域から高頻度に検出された。 (5) 検出農薬には, 用途別に高い相関が見られた。また, 過去に使用されたものが溶出したと考えられるHCHが検出された。
  • 高橋 保雄, 森田 昌敏
    1998 年 8 巻 3 号 p. 455-464
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    河川水を原水とした水道水では総ハロゲン化消毒副生成物濃度は冬季に最低値 (50μg/l弱) を示した後, 徐々に増加し, 8月に最高値 (200μg/l強) を示した。ハロゲン化消毒副生成物を類別に見ると, ハロ酢酸, トリハロメタンはメジャー成分であり, ハロアセトアルデヒド, ハロアセトニトリル, ハロアセトンは中間成分であり, ハロプロピオン酸, ハロニトロメタンはマイナー成分であった。なお, 中間成分ではハロアセトアルデヒド濃度は必ずハロアセトニトリルより高かった。個々のハロゲン化消毒副生成物を見ると, トリハロメタンではクロロホルムは明白に季節変動を示し, プロモジクロロメタン, ジブロモクロロメタン, プロモホルムの順に濃度は極端に低くなっていた。ハロアセトニトリルではメジャー成分であるジクロロアセトニトリルは季節変動を示し, マイナー成分であるプロモクロロアセトニトリル, ジブロモアセトニトリルは一年中ほぼ一定であった。ハロアセトンではメジャー成分である1, 1, 1-トリクロロアセトンは季節変動を示し, マイナー成分である1, 1-ジクロロアセトンは全く季節変動を示さなかった。ハロアセトアルデヒドではメジャー成分であるトリクロロアセトアルデヒドは季節変動を示したが, マイナー成分であるジクロロアセトアルデヒドは季節変動を示さなかった。ハロ酢酸ではメジャー成分としてジクロロ酢酸, 中間成分としてトリクロロ酢酸, マイナー成分としてプロモクロロ酢酸, ジクロロブロモ酢酸等であった。ハロプロピォン酸では多くは2, 2-ジクロロプロピオン酸, 一部2, 3-ジクロロプロピオン酸であった。
    地下水を混合した水道水では総ハロゲン化消毒副生成物濃度は冬季, 夏季で二分し, 約100μg/l~約200μg/lである場合と, 季節間の差が認められず100μg/l弱~約150μg/l強である場合があった。中間成分のハロアセトアルデヒド濃度がハロアセトニトリルより低かった以外では, ハロゲン化消毒副生成物の類別量の順位は河川水を原水とした水道水と同じであった。河川水を原水とした水道水中の個々のハロゲン化消毒副生成と比較して, トリハロメタンではプロムを含有したトリハロメタンが増加し, ハロアセトニトリルではジブロモアセトニトリル, ハロアセトアルデヒドではトリブロモアセトアルデヒド, ハロ酢酸ではジブロモクロロ酢酸が高い濃度で検出されていた。逆に濃度が低かった副生成物としてジクロロ酢酸がある。
    高度処理を施した水道水では総ハロゲン化消毒副生成物濃度は季節間の差が認められず, 約50μg/l~約100μg/lの濃度であった。ハロゲン化消毒副生成物の類別量の順位は地下水を混合した水道水と同じであった。そして, 河川水を原水とした水道水中の個々のハロゲン化消毒副生成物と比較して, 全てのハロゲン化消毒副生成物の濃度は低かった。
    同一水道水を供給されても, 受水槽・高置水槽を経由した水道水は水道本管からの水道水に比較して, 総ハロゲン化消毒副生成物の濃度は高く, また受水槽・高置水槽中の滞留時間の長い水道水程, 総ハロゲン化消毒副生成物の濃度は高かった。今回調査した受水槽・高置水槽は比較的密閉状態であったので, ハロアセトン以外の類別ハロゲン化消毒副生成物, 及び類別のメジャー成分である個々のハロゲン化消毒副生成物も滞留時間の増加, 即ち有効残留塩素の接触時間に相関して増加していた。
  • 高橋 保雄, 森田 昌敏
    1998 年 8 巻 3 号 p. 465-472
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    非沸騰の加熱であるガス瞬間湯沸器では水道原水の質・量が異なると, 給湯水の温度が高くなっても, 総ハロゲン化消毒副生成物が増加する場合と減少する場合があった。また類別毎のハロゲン化消毒副生成物も増加している場合と減少している場合があった。一方大型ボイラー及び電気温水器では使用した水道原水の質・量の影響を受けずに, 総ハロゲン化消毒副生成物, トリハロメタン及びハロ酢酸が増加し, また中間体の揮発性ハロゲン化消毒副生成物が減少していた。
    非沸騰の加熱と異なり, 電気ポット, やかんの加熱温度・時間は瞬間湯沸器・大型ボイラー・電気温水器より大きい。その結果, トリハロメタン以外の揮発性ハロゲン化消毒副生成物は電気ポットの場合には沸騰後, 保温を0~5分, やかんの場合には沸騰後, 煮沸を0~5分続けると消失した。トリハロメタンは電気ポットの場合では保温3~6時間後揮散消失し, やかんの場合では煮沸を5~10分続けると揮散消失した。トリハロメタン消失後, 残留したハロゲン化消毒副生成物はハロ酢酸だけであった。残留したハロ酢酸は主にジハロ酢酸であった。
  • 高橋 保雄, 森山 紀美, 森田 昌敏
    1998 年 8 巻 3 号 p. 473-479
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    プール水中のハロゲン化消毒副生成物は原水由来のハロゲン化消毒副生成物だけでなく, 水泳者に由来するハロゲン化消毒副生成物が更に負荷していた。今回, 使用したプール原水は臭素を殆ど含まない河川水を処理した水道水であるので, 水泳者由来のハロゲン化消毒副生成物は塩素系のハロゲン化消毒副生成物であった。
    検出したハロゲン化消毒副生成物の類別では, ハロ酢酸, ハロアセトアルデヒド濃度は極端に高く, 次に高い濃度はトリハロメタン, ハロアセトン, ハロアセトニトリルであり, ハロプロピオン酸濃度は最も低かった。
    検出した類別ハロゲン化消毒副生成物の内, ハロ酢酸では主にトリクロロ酢酸, ジクロロ酢酸, ハロアセトアルデヒドでは主にトリクロロアセトアルデヒド, トリハロメタンでは主にクロロホルム, ハロアセトンでは主にクロロアセトン, ハロアセトニトリルでは主にジクロロアセトニトリル, ハロプロピオン酸では主に2, 2-ジクロロプロピオン酸であった。この内, トリクロロ酢酸, ジクロロ酢酸, トリクロロアセトアルデヒドは特に高濃度で検出していた。
  • 高橋 保雄, 森田 昌敏
    1998 年 8 巻 3 号 p. 481-488
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    著者らが確立した水道水中のハロゲン化消毒副生成物の多成分系統分析法を用いて, 小型の中空糸膜付活性炭型浄水器によるハロゲン化消毒副生成物の除去, 即ち漏出について調査研究した。
    一般家庭使用法と連続通水法を比較すると, 一般家庭使用においてハロアセトアルデヒド以外のハロゲン化消毒副生成物の漏出率は大きかった。即ち, 除去されていないことが明らかになった。この一般家庭使用法では小型浄水器は取り付け時から, 消毒副生成物が漏出し始めていた。そして, カートリジ使用有効期間内ではどのハロゲン化消毒副生成物も (漏出率に差はあるが, ) 除去されず漏出していた。
    一般家庭の使用方法において, ハロゲン化消毒副生成物の内, ハロ酢酸, トリハロメタンは漏出率の最も高かった類であり, ハロアセトアルデヒド, ハロアセトンは次に高かった類であった。最も漏出率の高かった類の内, クロロホルム, トリブロモ酢酸, ジブロモクロロ酢酸は漏出率の高かった物質であった。
    なお, 浄水器中の活性炭はハロゲン化消毒副生成物の除去に対して, 主に物理化学吸着であるが, 生物処理も認められた。
  • ―GC/MS及びGC/FTIDによるアクリルアミドの分析―
    古賀 清美, 中戸 靖子, 多々野 秀二, 服部 幸和, 牧 定雄
    1998 年 8 巻 3 号 p. 489-502
    発行日: 1998/09/17
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    排ガス中のアクリルアミドの測定方法について, 捕集管による捕集方法と, 吸収液による捕集方法の2方法について検討した。捕集管による捕集方法では, Sep-Pak Ps-2カートリッジ (2連) に排ガスを採取し, メタノール3mlで溶出後, 内標準を添加しGC/MS, GC/FTID分析した。また吸収液による捕集方法では, 水10ml入りバブラー (2連) に排ガスを採取し, ジブロモ化, 酢酸エチルによる抽出, 脱臭化水素, 内標準添加の操作を行った後, GC/MS, GC/FTID分析した。
    両測定法とも, 直線性, 定量下限値, 相対標準偏差及び回収率について良好な結果が得られており, また排ガスの測定に適用できることが明らかとなった。
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