症例:14歳女児.跳び箱で着地に失敗し左手関節背屈位で受傷.画像所見にて遠位橈尺関節(以下DRUJ)掌側脱臼を伴う尺骨茎状突起骨折を認めた.尺骨茎状突起骨折に対してtension band wiring施行し,DRUJに鋼線を1本刺入し関節固定を追加した.術後2週で関節固定の鋼線を抜去しA-E cast固定施行.術後6週でcastを除去し手関節可動域訓練開始.術後8週で抜釘を施行.術後12週の時点で再脱臼を認めず良好な可動域を得られている.
頚椎前縦靱帯骨化(OALL: ossification of the anterior longitudinal ligament)による嚥下障害に対し手術を施行した5症例の頭蓋頚椎矢状面アライメントを計測し術前嚥下障害発生リスクを評価した.頚椎OALLによる嚥下障害発生例では全例術前PIA(pharyngeal inlet angle)が90°未満であったが,頚椎前方骨棘切除術後に全例でPIAは90°以上となり,嚥下障害は改善した.PIAは頚椎OALLによる嚥下障害発症の指標となる可能性が示唆された.