歩行中の他者とのすれ違いにおける回避行動は, 相手の動きや身体的特徴だけでなく, 衣服の色といった外見などの情報に影響される可能性がある. 本研究では, 歩行者の衣服の色がすれ違う他者の進路変更行動に与える影響を検討した. 白, 黒, 水色, 赤, 紫の各色のロングスリーブシャツを着用して歩行する男性の歩行者1名とすれ違う実験を実験参加者に実施した. 従属変数として以下の4つを測定した; ①すれ違う瞬間の参加者と歩行者の距離, ②参加者の歩行開始位置から進路変更開始地点までの距離, ③進路変更開始時の参加者と歩行者との距離, ④参加者が進路変更を開始した時点における, 歩行者の位置から歩行者の歩行開始位置までの距離の4か所の距離. 実験の結果, 衣服の色と性別が進路変更距離に有意に影響を与えることが示された. 特に, 赤や紫の衣服は, 威圧感や注目性により参加者の回避行動(進路変更行動)が早まる傾向があり, 女性の参加者は進路変更の開始タイミングが男性の参加者と比較して早まる傾向があった. これらの結果から, 歩行時のすれ違い場面において, 衣服の色が進路変更行動に影響を与えることが明らかとなった.
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