生態心理学研究
Online ISSN : 2434-012X
Print ISSN : 1349-0443
最新号
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ショートノート
  • 石井 康博
    原稿種別: ショートノート
    2025 年17 巻1 号 p. 3-22
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    小学校入門期の子どもの数的活動を,Ginsburg et al.(1999)による5つのカテゴリーで分類した結果,5つのカテゴリーに含まれない「その他」が確認され,その割合が51.8%であることが示唆された(石井,2013). 研究1では,5つのカテゴリーに「その他」を加えた6つのカテゴリーを子どもがどう利用しているか,マトリックスによる表示の結果,「その他」が5つのカテゴリーとつながりをもち,「その他」とのつながりのパターンが3つに区分されることが示された. 研究2では,「その他」が5つのカテゴリーと関連してどういった特徴および機能を有しているかを検討するため事例解釈を行った.その結果,具体物を利用した子どもの数的活動においていくつかの制約の中で,「行為の淀み」(佐々木ら,1992)が置く,移動,といった行為の前段階さらにそれら行為の間で生起していることが示唆された.

特集1
特集2
  • 友野 貴之, 児玉 謙太郎, 青山 慶, 関 博紀, 牧野 遼作
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 95
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
  • 友野 貴之
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 97-108
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    本稿では, アフォーダンス知覚とは何か, アフォーダンス知覚の研究をするためには何をどうしたらよいか, についてこれまでのアフォーダンス知覚に関する研究や著者らの研究を紹介しながら解説するとともにこれからのアフォーダンス知覚研究の展望について述べる.アフォーダンス知覚とは行為の可能性ないしは機会であるアフォーダンスを知覚することである. 言い換えれば, アフォーダンス知覚とは環境の特性と行為者の特性の関係性ないしは適合性を知覚することとも言える. 例えば, ガードレールに腰掛ける若者や花壇の縁に座る子どもは, ガードレールや花壇の縁の特性(この場合は高さや素材など)と彼(彼女)らの特性(この場合は足の長さや柔軟性など)の関係性ないしは適合性を知覚することで“座る”という行為を達成している. そのような意味では, アフォーダンス知覚の例, 研究の萌芽は, 私たちが暮らす生活環境を見渡せばそこかしこに広がっている. アフォーダンス知覚の機序を紐解くことで, 私たち人間を含む動物の知覚と行為の関係性について明らかにすることができるだろう.

  • 伊藤 万利子
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 109-126
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    ダイナミック・タッチは生態心理学における主要な研究領域の一つである.本論文では,ダイナミック・タッチ研究の理論的基礎として,(1)ダイナミック・タッチで利用される力学的情報,(2)身体はマルチフラクタル・テンセグリティを有する媒質であり,かつ,全身が連続的な触知覚システムを構成するという仮説,を概説し,それらの理論的基礎にもとづく実験研究を紹介する.加えて,ダイナミック・タッチの研究方法を解説する.最後にダイナミック・タッチ研究の現状と課題,そしてその研究の実施方法の展望を述べて締めくくる.

  • 谷貝 祐介
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 127-140
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    本稿では,体肢間協応を対象とした研究について,具体的な方法論を含めて解説した.人間の身体は,多数の骨と筋肉,関節から構成された複雑なシステムである.体肢間協応研究では,この複雑な構成要素を持つ身体システムが,どのように互いに連動し,運動を生み出すか,その規則性に注目した研究が数多く蓄積されている.本稿では,まずBernsteinによって提唱された協応の概念と動作構築理論について整理した.次に,体肢間協応研究において重要な役割を果たしてきた力学系アプローチについて概説した.また,体肢間協応研究における代表的な実験課題,計測方法,分析方法について解説した.最後に,方法論の実践例として著者らの研究を紹介し,体肢間協応研究の今後の展望について議論した.

  • 岡野 真裕, 向井 香瑛
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 141-167
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    This tutorial explains behavioral synchrony, a phenomenon often observed in human interactions. Research on this subject emerged as late as the 1960s, revealing its adaptive functions including fa-cilitation and confirmation of rapport and social cohesion. Behavioral synchrony is further concep-tualized as a self-organizing stable pattern arising from the coupling between an individual and en-vironment through perceptual information. Additionally, for beginners in the field, this paper intro-duces fundamental methodologies and analytical tools for studying synchrony. It also describes the experimental design employed in one of the author’s previous studies, offering an example of syn-chrony research. Finally, as a perspective on research concerning behavioral synchrony and related higher-level concepts (coordination), this paper discusses its relationship with skill science and fu-ture challenges.

  • 西尾 千尋
    原稿種別: 特集2
    2025 年17 巻1 号 p. 169-185
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー

    一般的に心理学で「発達」と言う時には身体や精神,行動が子どもから成人へ,成人から老人へ,段階的あるいは直線的に変化していくという見方が強い.しかし,個々の人が変化していく様子は教科書的な記述に必ずしも当てはまるものではないし,あらかじめの計画書のようなものに従って淡々と展開するものでもない.ヒトに共通する普遍性がある一方で,個人にとってはそれぞれユニークな初めてのプロセスを経て,その人らしさのようなものを形作ってゆく.生態心理学はその際のヒトと環境の相互作用に焦点を当てる.本稿では,まずEleanor GibsonとAdolphの移動の発達研究を通して,アフォーダンス知覚の発達について説明する.次に,「赤ちゃん事典」を紹介し,日常の環境で観察によって研究することで分かることについて考える.最後に,データ取得と分析の方法を紹介し,ボトムアップ的な問いの立て方について議論する.

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