林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
54 巻, 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 54 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 54 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
  • 2008 年 54 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
  • 川村 誠
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 3-17
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    1990年代に入り,林政の目標は経済から環境へ大きく変わった。しかし,グローバリゼーションの進展する中で,林政と森林・林業の現実との乖離が目立つ。第1に,天然林から人工林・再生二次林への世界的な資源の転換があり,それに伴う資源獲得の新たな競争に林政が対応できていない。第2に,内需型の国内市場に対応してきた林業・木材産業は,今やグローバリゼーションの波にさらされている。対抗的リージョナリゼーションのネット形成が必要である。しかし,政策的に,未だ十分な取り組みはできていない。第3に,林業の担い手を,林家とするのか,雇用労働とみるか明確ではない。そのため,イノベーションに向けた政策の方向が定まらない。第4に,山村問題を中心とした地域政策において,林政が果たすべき役割が不明である。まず,山村において,生活環境が急速に悪化している。さらに,その背景として,貧困が深刻な問題となっている。一方,都市から山村へ向けて,就業希望やレクリエーション利用は多くなっている。つまり,山村と都市の関係に「双方向性」"interactivity"が生まれてきている。しかし,林政はそうした状況を生かしきれていない。林政という階層的ガバナンスが徐々に機能しなくなる一方,集落コミュニティや各種の事業体などによる分権的なガバナンスが必要とされている。しかし,未だ地域ガバナンスは確立されていない。社会経済的にみて,イノベーションを含んだ新しいアプローチが求められる。
  • 伊藤 幸男
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 18-27
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    本稿の課題は,1990年代以降の木材生産・流通政策の展開を整理し,そこでの諸課題と新たな政策の方向について検討することである。経済のグローバル化の進展により,日本資本主義における国内林業の位置づけは低下し,1980年代までに展開した林業の近代化による再編政策はその根拠を失いつつある。一方で,地球温暖化問題への対応を中心とする森林整備政策がより重要性を増している。にもかかわらず,木材生産・流通政策はより近代的な方向へと展開している。それは,1990年代に流域管理システムの下で1つの体系をなしていた森林整備政策と林業生産政策が,新基本法以降分断的に展開し,木材生産・流通政策が自由な展開を遂げ得るようになったためである。産業理論による林業・木材産業の大規模な統合は,一方では大規模な破綻のリスクを抱えることとなり,持続性が重視される山村社会や森林管理の論理に馴染まない面がある。木材生産・流通政策は,少なくとも持続可能な森林管理の実現に向けた政策体系に位置づけ直す必要がある。
  • 堀 靖人
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 28-39
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    本稿の課題は,1990年代以降の森林経営・管理の担い手政策がどのように展開し,その意義と問題点を明らかすることにある。そのため,森林の整備,維持に関わる主体である森林所有者,林業事業体および林業労働者を取り上げ,これら主体に対する担い手政策を取り上げた。というのも,1990年代以降,これらをめぐる環境がめまぐるしく変わったためである。担い手政策において,大きく変わった点は,森林の施業委託を進め,林業事業体の活躍する場面の拡大が図られたこと,林業労働者の労働条件,雇用条件の改善が進められたことである。これらは林業の活性化や山村問題の解決のための方策として意義はあった。しかし,周知のようにこうした構造的な問題に対しては,総合的な対策の1つのパーツにすぎない。林業経済研究において,担い手の実態を把握し,それを公表することによって,国の総合的な林業,山村対策を国民の理解のもとで進めることが必要である。
  • 大浦 由美
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 40-49
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    本論文では1990年代以降の国土政策,農林業政策等の諸政策における都市農山村交流の政策的位置づけを整理し,その方向性について検討した。1990年代初頭における主要な動向としては,「民活型」大規模リゾート開発から「官活型」の農村型リゾートあるいはグリーン・ツーリズムへ,特に森林に関しては「森林の総合利用」中心から「国民参加の森づくり」中心の展開へ,さらにトップダウン・ボトムアップ双方からの森林ボランティア活動の育成・発展の3点に整理することができる。1990年代後半以降は,新基本法農林政への転換の中で,都市農山村交流は地域活性化対策の柱の1つとなった。2002年からは政府の経済活性化戦略に位置づけられ,8府省連携の巨大プロジェクトへと変貌を遂げている。現段階における都市農山村交流は,一方でグローバル化・自由化の流れに連動した国内農林業の縮小再編という国家政策を色濃く反映した展開方向にあり,他方では,食の安全・安心や豊かな森づくりを可能とする社会を目指す市民の行動と,そこに地域再生の活路を見いだした農山村地域との協働という発展の方向がみられる。都市農山村交流をめぐってはこのような2つの潮流の渦中にあるといえよう。
  • 藤城 一雄, 天野 正博
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 50-58
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    プロジェクト終了後の自立発展性向上に有効なプロジェクト設計の検討は,開発援助の大きな課題となっている。事例研究の対象としたパナマ運河流域保全計画は,農民グループの参加と能力開発に焦点を置き,個人,農民グループ,ネットワークの3つの対象レベルを対象に実施された。質問票を用いた面接調査は,農民グループメンバーおよびグループ活動に参加しなかった地域住民を対象として実施され,調査結果は社会,技術,財務の3タイプの能力に分解し分析された。その結果,プロジェクト終了1年後の段階においても,主に農民グループおよび個人レベルにおいて,開発された社会能力および技術能力は維持されていたことが確認された。他方,財務能力はプロジェクトの対象外だったこともあり十分には開発されず,自立発展性を高めるためには特にネットワークレベルでの開発が求められている。今後のプロジェクト設計への主な示唆として,3つの対象レベルに働きかけること,プロジェクト支援の入り口を1つに限定すること,各レベルに応じて重視する能力が異なること,ネットワークレベルの財務能力の開発方法の検討が提案された。
  • 早尻 正宏, 中尾 信彦
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 59-69
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    1990年代以降における林業労働市場の構造変化は,これまで個別事業体の経営課題に過ぎなかった労働者養成を社会的な課題として認識させ,新たな政策的対応を要請することとなった。本稿では,北海道を事例地に,こうした時代状況における林業事業体の教育訓練をめぐる現状と課題を明らかにし,今後の林業労働対策の展開方向を考察した。第1にアンケート調査から,(1)各種研修の利用水準は事業体規模に依存すること,(2)下請け業者の教育訓練に対する発注事業体の無関心,(3)労働力確保・育成をめぐる共同化の動き,などが明らかとなった。第2に事例調査から,北海道有林の請負事業体の場合,労働者養成をめぐって共同化が進展していること,森林組合の場合,その多くは下請け業者に事業実行を依存しているが,下請け業者の教育訓練に関して具体的支援をほとんど行っていないことが確かめられた。林業労働対策にはいま,規模や事業実行上の地位によって教育機会に恵まれない事業体とその労働者を公的システムに取り込むことが求められている。
  • 村上 弥生, 遠藤 恭範
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 70-78
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    外来産業の受け入れの形で洋紙製造業が操業する明治中期,高知県の和紙抄紙技術者,吉井源太が,在来技術の上に西洋の化学的知識に基づく技術を取り入れてサイジング技術などの近代的な和紙抄造技術を開発した。これにより,使用可能な原料の種類が多様化し,生産能率が向上した。この結果,新しい種類の筆記用紙,複写用紙,その他用途向け用紙が手漉和紙業者によって作られた。これは手漉き和紙生産額の増加をもたらし,さらに,現代の機能紙生産の基礎ともなった。
  • ラヴィンハイハー , 飯田 繁
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 79-86
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    ベトナム政府は,1960年から,「新経済ゾーン」政策を始め,山岳部の開発と平地の人口過密を解決するため,北部山岳地に農民を移住させた。ベトナムの統一後(1975年),新経済ゾーンをさらに拡大した。特に南東部,中部高原の未開発地域を開墾するため,天然林を伐採し,大々的に森林を農地へ転換した。ベトナムの森林は,1945年に1,430万ha(森林率43%)であったが,1995年には930万ha(同28%)に減少した。その森林減少に対して,1997年に国会は,1998年から2010年までを期間とする「500万ha国家植林計画」を決議した。また,1986年以降,政府はドイモイ(刷新)政策を採用して,市場経済を重視する経済改革を推進した。森林・林業セクターでは,森林管理のために,非国営企業,組織,世帯,個人などに林地利用権を交付し,森林回復の促進を図る政策を採った。本稿では,こうした森林政策の一連の動きについて検証した。
  • 岩松 文代
    原稿種別: 短報
    2008 年 54 巻 1 号 p. 87-95
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    本研究は,輸出入が増大している中国の木材・林産物市場において,日本産木材輸出の課題と可能性を検討するために,木材業者の集積する遼寧省大連市を事例に,加工貿易を行う業者を中心に6社を対象として,原材料としての木材ニーズと,北九州市産の間伐スギ材を提示した上で日本産木材への反応を聞き取り調査した。日本産スギ丸太は大連で1m^3が600〜800元位という安値の予測評価を受けたが,品質自体には良い評価があった。日本向けの構造用集成材,内装材,家具の原材料はロシア産アカマツ材が多く,日本産木材の輸入には価格の調整,大量輸入,製材品輸入の課題があった。また,製品の日本輸出を想定するなら,販売先確保のための日本企業間ネットワークの要望もあった。さらに,近年増加している欧米向け製品の原材料としての日本産木材輸出の開拓も検討課題であると思われた。中国国内向け製品には,日本産スギ材は用途の提案が求められ,中国の高級な内装材である「木線」に適する可能性も指摘された。最後に,中国への木材輸出は日本の木材文化の輸出という課題も持ち,日本産木材を使用した中国産製品の輸入は日本の木材文化の逆輸入となることを指摘した。
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 54 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 54 巻 1 号 p. Cover4-
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
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