本研究は盛岡市を対象とし,大型小売店で消費者が実際に手に取れるFSC製品のカテゴリーと製品数を明らかにした。製品総数25,868点,FSC製品大分類で26分類相当の商品を2014年11月~2015年3月にかけて店頭で確認した。まず第1に,FSCロゴあり製品の存在した製品大分類はエンジニアウッド・家事用品・木製文房具・紙・紙製文房具・印刷物の6分類あった。その6分類中の製品総数19,875点のうち,FSCロゴあり製品は192製品,製品総数の1.0%であった。これら製品のライセンスコードは20で,うち有効なものが90%を占めた。次に,FSCロゴあり製品の生産地は国内が46.1%,外国が53.9%であった。第3に,製品に付けられたFSCロゴは表示面の面積比5.7%以下であり,ロゴの表示色はモノトーンが74.7%であった。製品そのものでなく包装にFSCロゴを表示している製品が全体の73.6%を占めた。FSCロゴあり製品を消費者に知らせる店舗側のディスプレイはなかった。最後に,FSC製品とその代替品との間に明確な価格プレミアムは観察できなかった。
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