林業経済研究
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63 巻 , 3 号
林業経済研究
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 2017 年 63 巻 3 号 p. Cover_1
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
  • 2017 年 63 巻 3 号 p. Toc_1
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
  • 相楽 美穂, 百村 帝彦, 横田 康裕
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 1-11
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    途上国の森林セクターにおける裁判外紛争解決制度における,地域コミュニティが救済されるための要件を,その制度設計において拠り所とされる既存の原則・基準・ガイドラインや先行研究・論考から明らかにした。その際,裁判外紛争解決制度の意義に関する法学の議論を踏まえた。その議論では,「紛争の双方当事者の自主性に基づく対話の継続」と「公正な第三者の関与」という意義が見出され,この2点が途上国の森林セクターの裁判外紛争解決制度に関する原則や基準等では,どのように具体化されているのかについて検討した。その結果,前者に関しては,プロジェクト実施側の地域コミュニティとの対話に基づく信頼関係構築のうえで,地域コミュニティの紛争解決制度への関与が必要であること,後者に関しては,紛争の双方当事者の間に入る第三者に対して独立性や中立性を求めることより,地域コミュニティの調和や人間関係,文化を維持するよう,彼らから信頼を得ている人物・組織が関与することに重きが置かれるべきとされていることが明らかとなった。
  • 宮崎県都城地域を事例に
    外山 正次郎, 川﨑 章惠
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 12-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    1990年代以降,住宅業界からの要求の変化に合わせて国産材製材工場も設備投資などの対応を迫られ,2000年代には急速に大規模化が進展した。その中でも規模拡大工場が多く立地する宮崎県都城地域において中・大規模製材工場7社を対象に2000年代後半から2010年代前半にかけての変化を原木集荷圏,調達方法,製品の販売先などに関する対面調査をもとに分析した。その結果,①原木消費量は増加しているものの原木集荷圏は80年代から大きく変化していないこと,②年間原木消費量3~4万m3以上の製材工場で直送比率が増加したこと,③原木調達方法が多様化し中小規模素材生産業者との間で新たな直送の形態(決済介在型直送)がみられること,④製品の販売先では木材問屋に代わり商社が存在感を増していることなどが明らかになった。
  • 福田 淳
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 23-31
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    平成24年から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まり,木質バイオマスを燃料とする発電所が急激に増加している。このうち,主に未利用木材を燃料とする発電所は,平成28年3月時点で,RPSからの移行分を含めて,75施設が設備認定済み,うち34施設が稼働中で,間伐材等由来チップの消費量も,平成27年には前年から61%増加して257万m3となった。このような中,これらの発電所に対して,既存の用途に影響を与えることなく,地域の森林から安定的に燃料を供給できるかについて,詳細な分析を行うことが急務となっている。このため,本研究では,林野庁が新たに発表した都道府県別の間伐材等由来チップのエネルギー利用量を対象として,都道府県別に,①主に未利用木材を燃料とする稼働済み木質バイオマス発電所の認定発電容量,②素材生産量との比較を行った。その結果,①間伐材等由来チップのエネルギー利用量は,稼働済み発電所の認定発電容量と正の相関を有すること,②素材生産量に対する間伐材等由来チップのエネルギー利用量の比率が3割程度以上となる県が10県あることを明らかにした。今後,地域における燃料の需給動向を正確に把握するためには,認定木質バイオマス発電所に関する更なる情報公開を進めることが不可欠である。
  • 林務職員数の変化と福島県の事例調査を中心に
    木村 憲一郎
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 32-41
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    2000年代以降における都道府県林務行政組織の変容と職務への影響を明らかにした。結果,2000年から2015年にかけて都道府県の林務職員数は約3,000人減少し,減少の割合は市町村の林務職員と同様で,一般行政部門の職員よりも高かった。背景には2005年度からの概ね5年間に地方自治体全体で進められた定員削減の動きがあると思われた。2000年代以降の林務職員数の減少は,ここ半世紀の中でも急激なもので技術系職員に強く表れた。それは職員1人が所掌する森林面積の拡大や林業関係予算の増大を招き,林業普及指導活動における普及指導時間の減少などをもたらした。今後の課題として市町村支援体制の確保,組織内に蓄積された技術や知見の円滑な継承が指摘された。
  • 武蔵国多摩郡堀之内村誨育学校を例として
    岡田 航
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 42-52
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    本稿は学制施行期における学校林設置の背景を具体的な事例研究をもとにして分析するものである。学制が公布され近代教育制度が始まると,学校を設立した村落は膨大な教育費の負担が求められた。武蔵国多摩郡堀之内村にあった誨育学校では,教育費の財源を捻出するため学校林の設置が行われた。村落の共有地に植林を行い学校林としたのを皮切りとして,官有地の払い下げ要求を行い,学校所有の学校林を新設することにも成功した。さらに校舎新築用地として払い下げた場所まで,校舎を別の場所に新築することで学校林に編入した。そのことは,社会変動のなかで村落がその生活を安定的に継続させるため,新しい共同利用の体系を生み出したことを意味した。
  • 鎌倉広町緑地の指定管理者選定過程を事例として
    平原 俊, 土屋 俊幸
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 53-64
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    自然資源管理を行う市民活動に対する期待が高まっており,草の根レベルの活動が徐々に制度化されるようになっている。本稿では,この制度化が市民活動に及ぼす影響を具体的に明らかにすることを目的として,神奈川県鎌倉広町緑地における指定管理者制度の選定過程について分析を行った。当該フィールドにおいて精力的な管理活動を行っていた「鎌倉広町の森市民の会」は,2014年度の選定過程で組織体制の不備と管理技術の欠如を理由に不指定となったが,公園管理業務の実績を有する団体からバックアップを受けることなどで対応を図り,翌年度,指定管理者となることが決定した。分析の結果,制度化には組織体制の脆弱さを改善する正の側面とともに,組織としての「制度的同型化」や個人としての「楽しみ」の喪失といったように,自然とのかかわりを単一化させる負の側面もあることが確認された。これら正負の側面のトレードオフ問題を乗り越えるためには, 各団体・各個人がそれぞれの目的を果たすことを目指しながら, その総体として緩やかに自然資源管理を行っていくことが必要であると考えられた。
  • 林 宇一, 永田 信, 立花 敏
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 65-73
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    本研究は林業作業者数の変化を年齢効果,時代効果,コウホート効果へ分解することを目的とした。林業労働者数の動向分析としては,従来から「国勢調査」のデータを用い,コウホート変化率やコウホート変化数を把握し,またこれらを用いた将来推計が行われてきた。他方で,各時点における年齢階級の就業者数には,1)年齢が影響する他,2)その時代の社会状況や3)該当する世代の特徴も影響することが考えられるが,林業労働者数を捉える上でこれらの3つの影響・効果を分離検討した先行研究は見当たらない。そこで,本研究ではIE(Intrinsic Estimator)の手法を用いて年齢・時代・コウホートの3効果への分解を行った。その結果,年齢効果が中心的であり,55~59歳をピークとした単峰型を形成すること,時代効果は軽微であるが,1980年から2005年まで減少したのち2010年に向かって増加すること,コウホート効果では1931~1935年生まれをピークに減少して1971~1975年生まれから再び増加することが判明した。
  • 三市町村の事例分析より
    風 聡一郎, 梶間 周一郎, 内山 愉太, 香坂 玲
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 74-81
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    近年,山間部の地域を中心に温浴施設へ薪ボイラーを導入する事例が増えつつある。本研究では薪ボイラーの導入が地域に与える効果と課題を地域横断的に分析し,評価することとした。その結果,施設への薪ボイラーの導入目的が環境保全やエネルギー自給の促進,あるいは林業の振興というものである場合は有用であることがわかった。一方で,非常勤雇用主体の体制での運用でなければ事業の経営が難しいため,生業にはなり難いということが明らかとなった。したがって本研究での結果を踏まえた総合的な評価としては,地域での公益性の高い効果を目指し行政やNPOが主体となって事業を計画し実施するべき仕組みであると考える。
  • 根本 和宜, 中村 省吾, 森 保文
    原稿種別: 論文
    2017 年 63 巻 3 号 p. 82-91
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/06
    ジャーナル フリー
    森林資源の持続的な利用のためには,用材や木質燃料などの木材需要を把握して安定的な供給体制を築くことが重要である。しかしながら,薪ストーブやペレットストーブ等の燃焼機器向けの木質燃料については,家庭における全国規模の燃料消費量が明らかにされていない。本研究では,家庭向け木質燃焼機器の普及状況と木質燃料の需要について,販売と消費の両面から利用量を明らかにするため,消費者である家庭と,販売者である事業者に対しアンケート調査を行った。全国の家庭における木質燃焼機器の利用率や,世帯当たりの木質燃料の平均消費量から,薪は材積で2,755千m3,ペレットは87千tの家庭での年間木材消費が行われていると推定した。この木材利用による二酸化炭素削減量は,政府の2030年度目標値に対して必要な家庭部門の年間排出削減量の1.6%に相当した。また木質燃料の販売量と消費量の比較から,薪の自家採取量や小規模事業者の販売量が多いことが推定された。本調査で推定した家庭の燃料消費量と,生産量の統計値との比較からは,薪の生産の多くが把握されていない可能性が示された。家庭での木質燃料の需要は,発電など他の木材需要と比べても無視できない量であった。
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