ニューラルネットワークにファジィ数ベクトルが入力された場合, 対応するファジィ数出力ベクトルの計算は, ファジィ演算を用いて行われる.このとき, ファジィ演算が各ユニットで独立に実行されるため, 入力ベクトルに含まれるあいまいさが, 入力層から出力層へ向けた計算の進行とともに増加するという問題点が生じる.本研究では, まず, この問題点を, 拡張原理の局所的な適用と大域的な適用という観点から議論する.局所的な適用では, 各ユニットでのファジィ入出力関係が拡張原理により定義される.一方, 大域的な適用では, ニューラルネットワーク全体のファジィ入出力関係が拡張原理により定義される.次に, 具体的な数値計算例を用いて, 拡張原理の局所的な適用におけるあいまいさの増加がどの程度であるかを示す.さらに, あいまいさの増加を低減するため, レベル集合の細分化手法を示す.最後に, ニューラルネットワークからのファジィルールの抽出に細分化手法を適用し、その有効性を検討する.
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