アルカリイオン水とは、JIS T 2004 によって規定された電解水生成器(通称アルカリイオン整水器;以下、整水器)を用いて水道水などカルシウムイオン(Ca
2+)を含んだ飲用適の水を電気分解し、陰極から生成する弱アルカリ性(pH 9~10)の飲用アルカリ性電解水を指す。陰極では水分子(H
2O)の電解により生じる水酸化物イオン(OH
-)と水素(H
2)を含み、Ca
2+ などの陽イオンが増加している。整水器については「胃腸症状改善のための飲用アルカリ性電解水を生成し、一般家庭で使用すること。」と厚生労働省告示第112号(平成17年3月)に規定されている。アルカリイオン水の物性を含む安全性と有効性は、第三者組織であるアルカリイオン整水器検討委員会(委員長:糸川嘉則京都大学医学部教授)が行った詳細な科学的検証で証明され、有効性については「1日当たり0.5~1 Lの継続飲用による胃腸症状改善効果」として結論付けられた。それらの概要は機能水研究に報告され、また、機能水研究振興財団(以下、機能水財団)発行の研究成果資料としてもまとめられたが、より詳しい情報開示の要望がある。そこで本稿では、アルカリイオン水研究の発展経緯とともにこれまで開示済の研究内容を補足する情報について紹介する。
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