機能水研究
Online ISSN : 2759-551X
Print ISSN : 1348-2432
14 巻, 2 号
学術大会案内・演題募集
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  • 永松 有紀, 中村 恵子, 村岡 宏祐, 池田 弘, 永松 浩, 清水 博史
    2019 年 14 巻 2 号 p. 1-10
    発行日: 2019/07/26
    公開日: 2024/12/25
    ジャーナル フリー
    中性電解水(pH7、有効塩素濃度約30ppm)の有床義歯(一般的に「入れ歯」と呼ばれる着脱可能な義歯。以下、義歯)に対する洗浄・除染効果を以下のように検証した。歯科大学附属病院義歯科を訪れた義歯の自己管理ができる健常者の義歯を対象に中性電解水による超音波洗浄を行い、汚染レベルの指標となる義歯付着アデノシン三リン酸(以下、ATP)量とその変化率を調べた。まず、被験者5名8義歯に対して1分間の超音波洗浄処理(1回処理)後、付着ATP量を測定した。ATP減少率が99.9%以上となるまでこの処理を繰り返した。その結果、8義歯中3義歯は1回(1分間)で、5義歯は2あるいは3回(2あるいは3分間)の処理で99.9%以上のATP減少率となり、最長3分間の処理で全義歯に おいて高い洗浄・除染効果が得られた。次に、全被験者17名24義歯に対して中性電解水中での3分間の超音波洗浄処理を行った結果、全義歯でATP量は96.7(±8.4)%の減少率を示した。14名17義歯ではATP減少率99.9%以上の高い除染効果を示した。以上の結果より、中性電解水中での3分間の超音波洗浄処理は、自己管理が可能な健常者の義歯に対して高い洗浄・除染効果を示すことが明らかになった。中性電解水による簡便かつ安全性の高い義歯洗浄処理は、義歯使用者の口腔環境の改善に有用であることが示唆された。
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