2002年に酸性電解水が「次亜塩素酸水」の名称で食品添加物殺菌料として指定を受けてからやがて20年、次亜塩素酸水は様々な分野で食品衛生に貢献しその活用が定着してきている。一方2018年の食品衛生法改正により
「HACCP」が制度化され、猶予期間を経て本年(2021年)6月から完全義務化がスタートする。「HACCP」は食品衛生管理の国際標準と言えるものだが、今回の改正により巨大な食品工場から、家族経営の飲食店に至るまで、食品に関わるすべての事業者が、これに沿った衛生管理を求められることになった。
そのような中、「HACCP」に無関心ではいられない機能水関係者を念頭に、「HACCPを初心者にも分かり易く」を心がけ、以下の構成で解説する。
① HACCPとは?: 用語の定義や仕組みの由来などは割愛し、従来の衛生管理と何処が違うか?「HACCPの勘どころ・考え方」を解説する。
② HACCPを支える: HACCPは単独では成り立たず、「一般衛生管理」と呼ばれる作業に支えられている。この作業の重要性に加えて、アレルゲン等で問題となる二次汚染の管理を、近年注目されてきた「環境モニタリング」に言及しつつ解説する。
③ 食品工場の新型コロナウイルス対策: HACCP義務化に向け、従来から様々な対策を進めて来た食品工場の新型コロナ対策には、他に無い特徴があると思われたので紹介する。
④ 食品分野での次亜塩素酸水の利用: 様々な食品製造現場での次亜塩素酸水の活用事例について紹介すると共に、近い将来HACCPの根幹部分の管理に使用する可能性についても言及する 。
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