機能水研究
Online ISSN : 2759-551X
Print ISSN : 1348-2432
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  • 永松 有紀, 池田 弘, 永松 浩
    2024 年 18 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2024/03/27
    公開日: 2025/04/18
    ジャーナル フリー
    殺菌性電解水の中で安静時の唾液pH(約7)に最も近い中性電解水を口腔ケア(清掃・マッサージ)用ジェルに応用するために、中性電解水配合ジェルの簡便な調製法を検討した。有効塩素濃度の異なる中性電解水(標準:30 mg/L、高濃度:140 mg/L)と増粘材/ゲル化材(カルボキシビニルポリマー〔カルボマー〕、寒天、メチルセルロース)を組合せて、混合・攪拌、適宜pH調整を行い試作ジェルを調製した。試作ジェルの有効塩素濃度と除菌効果から口腔ケア用ジェルとしての有効性を、調製全工程の所要時間からジェル調製の操作性を調べ、総合的に評価して最適なジェル調製法を具体化した。いずれの濃度の中性電解水でも増粘材/ゲル化材の添加で有効塩素濃度は低下し、その低下率はカルボマーで80%以上、寒天で約40%、メチルセルロースでは約10%であった。カルボマー添加ジェルは除菌率20%未満であったが、寒天あるいはメチルセルロース添加ジェルでは、24時間冷蔵保存後でも99.9%以上の高い除菌率を示した。カルボマーの使用はpH調整が必要で約30分間を、寒天ではゾルゲル転移のための加熱・冷却が必要で約25分間を要した。一方、メチルセルロースでは高速攪拌により1分間以内で調製可能だった。以上の結果より、メチルセルロースによる中性電解水のジェル化は、短時間で簡便な中性電解水配合ジェルの調製法として有効であることが示唆された。
  • 本多 洋子, 中藤 誉子
    2024 年 18 巻 2 号 p. 10-15
    発行日: 2024/03/27
    公開日: 2025/04/18
    ジャーナル フリー
    酸性電解水のバラ切り花に対する鮮度保持効果について検討した。試験対象は5本のバラ(コルベット種)を1セットとし、新鮮重、吸水量、花径、開花度を指標として、試験水(水道水、酸性電解水、アルカリ性電解水、鮮度保持剤)の影響を10日~14日間に亘って観察した。 その結果、酸性電解水(pH 3.5、有効塩素濃度20 ppm)は、各観察項目において水道水より良好で鮮度保持剤(市販延命剤)と同等の効果を示したが、吸水量のみ顕著に増大した。しかし、酸性電解水に糖(スクロース)を2%添加することによって吸水量を鮮度保持剤と同等のレベルに維持でき、開花度も鮮度保持剤と同等の13日間となり、鮮度保持効果(花もち延長)が認められた。また、簡易な花の延命剤として利用価値が高いと判断された。
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