機能水研究
Online ISSN : 2759-551X
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  • 鋤柄 悦子, 渡辺 香織, 有尾 正子, 山口 由貴, 高見澤 一裕
    2025 年19 巻1 号 p. 1-8
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル フリー
    筆者らは次亜塩素酸水による残留食物アレルゲン除去に関する研究を行っている。その関連研究として、認可保育所や認定こども園など(以下保育所等)における食物アレルギーに対する認識や調理施設での洗浄方法などの実態を知るため、A県の保育所等1755ヵ所を対象に自記式アンケート調査を行った。調査項目は、この種の調査例が見当たらないことから筆者らが独自に考案した調理施設の基本属性に関する6項目と調理施設の洗浄方法などに関する12項目など計21項目である。有効回答率は31.1%(546ヵ所)で、以下のような特徴が浮かび上がった。 調理施設の属性(回答527)に関しては、認可保育所と認定こども園で類似性が高く、両者合わせて、給食調理担当者2~3名58%、栄養士の毎日勤務53%、給食数51~300食73%、食物アレルギー対応給食数0~5食72%、ドライ式衛生管理87%以上が浮かび上がった。洗浄方法などに関しては、アレルゲン除去を意識した洗浄の実施は約75%で、約25%は実施していなかった。また、殺菌を行っている施設は93%あり、そのうち次亜塩素酸水の使用(アルコールなどとの併用を含む)は認可保育所13.7%(単独37/408、併用19/408)、認定こども園21.8%(単独7/55、併用5/55)であった。洗浄の手順で省略しがちになる作業は「ない」との回答が35%前後に留まり、残りは何らかの省略ありとの回答であった。中でも目立った省略は水洗い(50%前後)や洗剤洗浄(17%前後)であった。一方、殺菌に関しては省略回答がほとんどなく、2%とごくわずかであった。 こうした実状の中で、安全で取扱い易く食物アレルゲン除去のポテンシャルをもつ次亜塩素酸水は今後、保育所等の調理施設において活用が広がると期待できる。
  • 佐藤 基和, 村橋 利行, 中藤 誉子, 堀田 国元, 梅本 歩
    2025 年19 巻1 号 p. 9-14
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル フリー
    2017 年に制定された次亜塩素酸水生成装置のJIS 規格(JIS B 8701:20171) =制定規格) が、2023年に水道電解水生成装置を追加して改正(JIS B8701:20232) =改正規格)された。水道電解水生成装置は水道水の電気分解によって水道電解水を生成する。その基本性能/物性(pH 5.8~8.6、有効塩素濃度0.3~5.0 mg/L)は水道水と同等性をもち塩酸又は塩化ナトリウムを添加した水を電気分解して生成する水溶液(次亜塩素酸水と電解次亜水:pH 2.2~8.6、有効塩素濃度10~100 mg/kg)とは区別されている。また、次亜塩素酸水生成装置は独立単体型(今回の改正において規格変更なし)であるのに対し、水道電解水生成装置は装置組込型である点でも異なっている。改正JIS 規格(JIS B 8701:2023)はこれら2 つの生成装置を包含している。なお、生成物の殺菌性能に関しては、制定規格では生成装置の性能、電極の性能、生成装置の安全性と並列の項目(次亜塩素酸水の基本性能・殺菌性能および安全性)として記載されていたが、改正規格では生成装置の性能の中に包含された。これはJIS B 8701 があくまで生成装置の規格であり、生成物の規格ではないことを明確化するためである。本稿では、改正の経緯および改正の要点である水道電解水生成装置とその生成物について活用の現状と展望とともに概説する。
  • 清水 久範
    2025 年19 巻1 号 p. 15-26
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル フリー
    境下での操作が求められる場面が多い。注射剤は患者の組織に直接取り込まれるため、薬剤師は感染対策の視点で無菌操作や製剤の衛生管理の整備ならびに注射剤調製等の作業手順に関して監督指導を行うことが望まれる1-3)。 一方、医薬品によっては有害物質であることから、医療従事者の安全を考慮しなければならない。特に、細胞傷害性抗がん薬の多くはヒトへの発がん性が知られており4)、職業性曝露対策の重要性は広く啓発されている5,6)。抗がん薬の調製にはバイオハザード対策用キャビネット (生物学的安全キャビネット; biological safety cabinet: BSC) の使用が強く推奨され, 作業者の曝露対策ならびに無菌性の担保において環境保全が求められる。 現在、わが国のBSCの清掃方法は、蒸留水と消毒用エタノールを用いた清拭方法が一般的である。しかし、蒸留水で作業環境の表面汚染を十分に除去できなかった場合、エタノールの揮発により有害物質を吸入曝露してしまう可能性がある。がん研究会有明病院薬剤部は、医療用電解水生成装置7)を抗がん薬調製前後の手指消毒に導入した。現在、電解水による清潔区域への研究的応用を模索している。 本稿では、医薬品の調製現場を中心とした「1.ハザーダス・ドラッグ (Hazardous Drug: HD)、2. HD環境曝露表面汚染に対するガイダンス、3. ISOPPスタンダード2022が推奨する清掃手順、4. 電解水を用いたHDの分解や除染の可能性、5. 無菌操作区域における電解水の期待」を紹介し、作業環境の清潔保持と医療従事者の職業曝露低減 (≒安全管理) に電解水が寄与する可能性について概説する。
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