機能水研究
Online ISSN : 2759-551X
Print ISSN : 1348-2432
5 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 堀田 国元
    2010 年 5 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2010/03/31
    公開日: 2024/08/19
    ジャーナル フリー
    酸性電解水(次亜塩素酸水)の種類、製法、物性、有効性、安全性について概説し、衛生管理における有効利用に関する留意点や最近の動向について述べる。
  • 田仲 紀陽
    2010 年 5 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 2010/03/31
    公開日: 2024/08/19
    ジャーナル フリー
    機能水は、「人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの(およびされようとしているもの)」と定義されており、この定義にあてはまるものには電解水、特に、強酸性電解水とアルカリイオン水などである。 強酸性電解水は強力な殺菌効果を有し、洗浄消毒剤として、医療分野をはじめ、食品、農業等の幅広い分野で使用されている。また、殺菌効果のある電解水としては弱酸性電解水、微酸性電解水、電解次亜水が含まれるが、強酸性電解水は、①データの集積も多く、科学的根拠も確立し、②手指洗浄消毒および内視鏡洗浄消毒を用途として生成装置が厚生労働省より認可され、③食品添加物としても次亜塩素酸水の名称で厚生労働省より認可され(微酸性電解水を含む)、さらに、④殺菌効果以外の機能を有する可能性があり、医療分野での用途拡大が期待されている。 今回は透析医療における強酸性電解水の応用、特に透析配管の洗浄消毒について研究結果と考察および提言を述べる。
  • 鏡森 定信, 新村 哲
    2010 年 5 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2010/03/31
    公開日: 2024/08/19
    ジャーナル フリー
    1999年に富山県滑川市に海洋深層水を利用した温浴施設がわが国で始めて開設された。自然療法としての海洋療法(タラソテラピー)とは、タラソ(海洋)とテラピー(療法)の合成語であり、古くギリシャ時代から海水や海辺の環境を利用して健康増進に広く利用されてきた。 海洋深層水は、ミネラルを豊富に含み、低温安定性(季節に関係なく低温安定)、清浄性(大腸菌や一般細菌がほとんどなく、陸からの化学物質にさらされる機会もほとんどない)、熟成性(水深300mの約30気圧で長い年月をかけてゆっくり循環している間に熟成される)などの特徴を有する。この深層水を利用して、我々はこの課題に本格的に取り組んできた。 海洋深層水そのものは冷たいのでそのままでは入ることはできないので温める必要がある。温めた水への入浴(温浴)には、ヒトに心理・生理学的な面からさまざまな影響を与えることが明らかにされている。その影響は温水の構成要素によって多様だが、そのうち含有化学成分について分類が整理され、温泉(療養泉)として示されている。海水そのものは、成分からの分類基準をあてはめると強食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)に相当する。その効能としては保温作用が上げられる。一般的に保温作用は心身の緊張をほぐし、睡眠の質を高めるとされている。 このような温泉を使った医学的な療法(Balneotherapy)については、最近Nasermoaddeliらによって総説が著されている。また、高木は、「海洋深層水の健康への効用と利用」を報告している。また、イスラエルとヨルダンに接する「死海」では、塩分濃度が高く、うきを使わない浮遊(浮遊浴)による療法が行われ、多くの報告がなされている。我々は、海洋深層水を使ってこのような浮遊浴にも挑戦した。近年、逆浸透膜を用いて海洋深層水を濃縮する技術が開発され、塩分濃度約15%の濃縮水が得られるようになった。この濃縮海洋深層水を用いて、死海で行われているような浮遊浴の実験を行い、浮遊浴が可能なことを実証し、さらに蒸発法で塩分濃度を約30%とした超濃縮水を作製し、その濃縮水による浮遊浴の効果についても検討を行った。
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