本研究では,新しく開発した泥水式シールド一体型の自然由来砒素汚染土壌浄化技術の実証実験を実施し,(1)迅速で安定した浄化処理が可能であり,(2)浄化土が砒素溶出量基準(0.01mg/L)に確実に適合し,(3)濃縮汚染土が約10%に減容化されること等の実証を目的に行なった。各浄化プロセスの土量と砒素全含有量の収支を検討した上で,新浄化技術による浄化効果と減容化効果の評価を行なった。砒素溶出量基準の4~6倍の汚染土壌に本技術を適用したところ,常に基準を満足する浄化土が得られた。砒素の全含有量と溶出量が高い微細粒分を取り除くことが,効率的な浄化処理に大きく寄与していると考えられた。浄化土の回収割合が約90%,濃縮汚染土の発生割合が約10%であり,非常に高い減容化が可能であることが認められた。浄化土のコーン指数は679~1,128 kN/m
2であり,建設資材として利用できることが確認された。
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