プラスチックボードドレーン(PBD)で改良された泥炭地盤の長期沈下の予測精度向上を目的に,既往の二次圧密係数
Cαeの推定式について考察を加えた。無処理のモデル泥炭地盤に対して実施した一次元圧密解析結果より,北海道の実務で多用されている「泥炭式」と呼ばれる経験式の二次圧密係数には,圧密とともに急激に低下する圧密係数により地盤内に残留した過剰間隙水圧の消散に伴う沈下成分が含まれている可能性が高く,粘性に起因して生じる二次圧密による沈下はMesriが提案した関係式
Cαe/
Cc=0.07(
Cc:圧縮指数)に相当することが明らかとなった。そのため,PBD打設により過剰間隙水圧を速やかに消散させた地盤には,Mesriの関係を用いるのが妥当である。以上の考えから,PBD試験盛土に対して二次元水・土連成弾粘塑性FEM解析を実施した結果,泥炭層の二次圧密挙動が良好に再現できることがわかった。
抄録全体を表示