本文では,締固め度を変化させて構築した2つの試験盛土の竣工直後のS波速度(
VS)分布と乾燥密度の関連性に加えて,降雨前後での
VS分布の変化を比較することで盛土の健全評価に対する表面波探査の適用性を検討した。その結果,乾燥密度の分布と表面波探査から得られたS波速度分布は良く整合した。また,降雨による雨水浸透によって飽和度が上昇した低密度盛土では,降雨後に
VSが顕著に低下した。得られた結果から,表面波探査より得られる
VSによって盛土内性状の変化を推定可能であり,盛土の地盤性状把握に対する初期調査として表面波探査は適用可能であることを確認した。
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