地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
13 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
論文
  • -評価手法の検証と高度化-
    伊藤 悟郎, 菊地 裕, 辨野 裕, 石丸 真
    2018 年 13 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,2011年東北地方太平洋沖地震で観測された地震動を用いて,実岩盤斜面を対象に等価線形解析に基づくすべり安全率評価手法の検証を行った。その結果,地震後,当該斜面では大きな変状が確認されていないにも関わらず,最小すべり安全率が1.0を下回る結果となり,すべり安全率評価手法には一定の裕度が含まれることが明らかとなった。一方,より合理的な地震時安定性評価手法の構築を目的として,応力再配分を考慮した時間領域の地震応答解析に基づきすべり安全率を算出したところ,当該斜面で変状が見られないことと整合した結果が得られた。
  • -福囿式を用いた検討-
    笹原 克夫, 岩田 直樹, 吉川 直孝, 平岡 伸隆, 伊藤 和也
    2018 年 13 巻 1 号 p. 13-25
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    建設工事等に伴う掘削中の斜面の崩壊発生を予測するためには,斜面の変位計測に基づく崩壊発生予測手法の確立が求められる。このために本研究では関東ロームよりなる実大規模の模型斜面の掘削を行い,崩壊までの変位の計測を実施した。その結果変位速度は土のクリープ曲線で表されるような単調増加を示すわけではなく,減少を示すこともあった。また変位速度-加速度の関係は,加速度が正の場合と負の場合で別々の線形関係を示すようであった。そのデータを対象に,福囿が導いた変位速度-加速度の関係に基づくいくつかの崩壊発生予測手法を適用した。その結果速度と加速度の両方が正のデータのみを用い,両者の関係を非線形回帰で求める方法による予測手法が最も良好な結果となった。これは加速度が正のデータのみを用いることで,速度-加速度関係が安定するためだと考えられる。
  • 北岡 貴文, 新治 義久, ピパットポンサー・ ティラポン, 大津 宏康
    2018 年 13 巻 1 号 p. 27-40
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究は,タイの首都バンコク周辺地域における地下水塩水化問題に関して,バンコク中心部などにおけるピエゾ水頭の上昇および郊外におけるピエゾ水頭の低下により,広域地下水流動場の変化に伴う塩水化の脆弱性について検討したものである。最初に,ピエゾ水頭が観測されているデータに基づき,対象地における地下水流動場の変化について述べる。次に,地下水の塩水化状況についての考察を加えた。さらに,GALDIT手法により,対象地における地下水塩水化の脆弱性についての考察を加えた。その結果,対象地における塩水化の脆弱性が高い場所として,沿岸部のピエゾ水頭の低下が大きい地域,内陸部では,都心部のピエゾ水頭の上昇,郊外東部のピエゾ水頭の低下に伴い,地下水流動場が変化したことにより,塩分濃度の高い西部や,上層およびチャオプラヤ川沿いの,塩水化の拡大が懸念されることを定量的に示した。
  • 有木 高明
    2018 年 13 巻 1 号 p. 41-59
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,縦弾性係数と降伏ひずみが大きく異なる異種材料を合成した補強体の鉛直載荷試験結果の軸方向力に着目して鉛直支持特性と合成効果を考察した。異種材料の合成効果は変形と軸方向剛性比で考慮でき,これらの荷重分担は軸方向剛性比に依存し,補強体の降伏は芯材の降伏で定義できる。異種材料の合成において,軸方向剛性比が1を上回ると経済的ではなくなり,0.1を下回ると,コラムの圧縮耐力が見込めないため芯材の圧縮耐力のみが有効となる。補強体の一体化が十分に図れる押抜き耐力を有する芯材によって補強されたコラムが軸方向力を負担することにより,深度方向で効率的に地盤支持力を得ることができるとともに,特にコラムの圧縮強さが小さい場合ではコラムのみと比べて圧縮耐力が改善される。また,許容応力度設計法による算定値は載荷試験結果に対して,安全率を満足した。
  • 川尻 峻三, 川口 貴之, 橋本 聖, 田中 悠暉, 中村 大, 山下 聡
    2018 年 13 巻 1 号 p. 61-74
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    本文では,締固め度を変化させて構築した2つの試験盛土の竣工直後のS波速度(VS)分布と乾燥密度の関連性に加えて,降雨前後でのVS分布の変化を比較することで盛土の健全評価に対する表面波探査の適用性を検討した。その結果,乾燥密度の分布と表面波探査から得られたS波速度分布は良く整合した。また,降雨による雨水浸透によって飽和度が上昇した低密度盛土では,降雨後にVSが顕著に低下した。得られた結果から,表面波探査より得られるVSによって盛土内性状の変化を推定可能であり,盛土の地盤性状把握に対する初期調査として表面波探査は適用可能であることを確認した。
ノート
  • 蔡 飛
    2018 年 13 巻 1 号 p. 75-83
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では新しい準三次元地すべり安定解析法を提案した。地すべりブロックに複数の二次元解析断面を設定し,それぞれの二次元安全率を縦断セグメントの滑動力の総和により加重平均し準三次元安全率とした。二次元解析断面の滑動力の総和に縦断セグメントの幅を乗じて得られた縦断セグメントの滑動力の総和を重みとした理由を解説した。7つの地すべりブロックにおける提案した方法と従来の準三次元安定解析法との比較を行い,6つの地すべりブロックにおいてLambe-Whitman法と提案した方法で求めた準三次元安全率の差は2%以内に収まったものの,1つの地すべりブロックにおいてその差は約5~8%に達した。
報告
  • 山田 義満, 土田 孝, Nyan Myint Kyaw, 青山 建, 高橋 源貴, Si Thu Aung, Moe Myint Su H ...
    2018 年 13 巻 1 号 p. 85-99
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    日本の地盤工学会基準と同じサンプリング方法により採取された不撹乱粘土試料を用いて実施した土質試験結果を整理し,ヤンゴン川沿岸のティラワ地区における軟弱粘土の特性について明らかにするとともに,日本の粘土や既往の研究による他国の粘土の特性との比較を行った。ティラワの粘土(以下,“ティラワ粘土”と略称)においてもサンプラーの品質が一軸圧縮強度に大きく影響すること,ティラワ粘土の有効応力に関するせん断抵抗角が日本の粘土と比べ小さいこと,圧密係数が日本の粘土よりも小さく,1/6から1/3であることがわかった。
  • 竹下 祐二, 片山 頌嵩, 津國 遼太郎, 児子 真也
    2018 年 13 巻 1 号 p. 101-110
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    河川堤防の浸透に対する安全性を照査するためには,河川水や降雨によって発生する堤防内での浸透挙動を精度良く把握することが重要である。本文では,降雨後,堤防裏のり先付近より漏水現象が発生している実河川堤防において,堤防裏のり面内の浸透挙動を把握するために土中水分量と水位の連続計測を行った。土中水分量の計測には,異なる深度での土中水分量を同時に計測できる挿入型土中水分計を複数本設置して,裏のり面の2次元断面における土中水分量の動態を評価した。また,局所的な水位計測が可能な打ち込み式水位計を用いて,堤防内での浸潤線の発生および基盤透水層内の水位変動を計測した。これらの長期計測データに基づいて,対象河川堤防における浸透挙動の特徴について考察を行った。
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