ダム基礎地盤の透水性は,一般的に,ルジオンテストによって評価される。この試験方法については,「ルジオンテスト技術指針・同解説」(2006年改訂版)が定められている。しかし,この技術指針では,不飽和軟岩地盤における試験に関する具体的な課題である非定常浸透の問題とそれに対する具体的な対策は示されていない。本研究では,この課題を風化軟岩地盤のダムサイトにおける長時間透水試験により明らかにするとともに,飽和-不飽和浸透流解析を組み合わせることにより,適切な透水性評価方法について議論した。その結果,長時間透水試験によるルジオン値(Lu
LPT)は簡易なルジオンテストである水押し試験のルジオン値(Lu
WPT)より小さく評価され,今回の試験結果では概ねα(=Lu
LPT/Lu
WPT)=0.1~0.5の範囲となった。また,飽和-不飽和浸透流解析により,長時間透水試験における非定常浸透の傾向を概ね再現できることを確認した。
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