地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
3 巻 , 3 号
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論文
  • 五十嵐 勝, 及川 洋, 荻野 俊寛, 対馬 雅己
    2008 年 3 巻 3 号 p. 175-186
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    正規圧密および過圧密された高有機質土に対して定体積リングせん断試験を行い,これまでの三軸試験を通した検討では見られなかった高有機質土のせん断特性の一端を明らかにしている。先ず,定体積リングせん断試験では高有機質土でもせん断応力にピークが現れ,その非排水せん断強さは明確に決定できることを明らかにした上で,破壊時の変位量は圧密圧力や過圧密比に依存するものの,間隙比との間には一義的な関係にあること,せん断初期の応力~変位関係は双曲線で近似でき,その漸近線が示す応力とピーク強度の間には比例関係が認められること,正規圧密試料でも圧密圧力~強度関係は原点を通らないこと,かつ,得られる強度増加率は三軸圧縮試験による値より小さいこと,また,せん断抵抗角も三軸圧縮試験から得られる値よりかなり小さいこと,さらには,ピーク強度後の応力経路は破壊包絡線の外を推移する極めて特異な形を示すこと,などを明らかにしている。
  • 水野 健太, 土田 孝
    2008 年 3 巻 3 号 p. 187-202
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    高炉水砕スラグをサンドコンパクションパイル工法の置換材に用いる場合は,潜在水硬性に代表される高炉水砕スラグの力学特性や透水特性の経時変化を考慮し,杭と杭間粘土の応力分担特性を適切に評価した設計が重要となる。本研究では,海砂と高炉水砕スラグが同じ条件で使用された施工事例に対して有限要素法による二次元地盤変形解析を適用し,置換材の力学および透水特性が,杭間粘土の強度増加特性,改良地盤の応力分担特性や変形性状に及ぼす影響について検討した。その結果,解析により求められた応力分担比nは,砂杭の場合でn=3~4,スラグ杭の場合でn=8~11となり,スラグ杭を用いた場合は砂杭を用いた場合よりも地盤変形量が1/3に大幅に低減されることがわかった。また,解析から求めた非排水せん断強度は,原位置サンプリング試料による一軸圧縮強度quから求めた非排水せん断強度cu=qu/2の深度分布と概ね一致することを確認した。さらに,非排水せん断強度に及ぼす高炉水砕スラグの透水性の影響は小さく,変形係数や潜在水硬性によって発現する粘着力の影響が大きいことがわかった。
  • 田屋 裕司, 内田 明彦, 吉澤 睦博, 鬼丸 貞友, 山下 清, 津國 正一
    2008 年 3 巻 3 号 p. 203-212
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    液状化防止のための格子状地盤改良において,合理的な格子間隔を設定するため,格子間隔,改良体剛性,改良深さの影響を考慮した2次元等価線形解析を行い,簡易に格子間隔を設定できる簡易算定式を提案した。そして,3次元有効応力解析や遠心模型振動実験を実施して簡易算定式の妥当性を検討した。その結果,簡易算定式に基づく格子間地盤のFL値と解析結果や振動実験結果から得られた過剰間隙水圧比との間に相関が見られ,簡易算定式が格子間隔の予備的な設定に有効であることがわかった。
  • 上野 誠, 中谷 登
    2008 年 3 巻 3 号 p. 213-228
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    深礎基礎の大型化に伴い,基礎周辺地盤の摩擦抵抗力を設計に導入する試みがなされている。基礎の周面摩擦抵抗力を効果的に発揮させる方法として,地盤に密着した支保工と基礎施工を行うだけでなく,剛性の高い棒状補強材を基礎周辺地盤に打設し,その補強効果により支持力を増加させる地盤補強型基礎が有効である。この基礎工法は水平支持,引抜き支持に関しては既に適用され,送電鉄塔や道路橋梁基礎のコストダウン工法として実績を有しているが,本研究では押込み支持力に対する地盤補強型基礎の補強効果と深礎基礎の周面摩擦抵抗について実験的観点から考察した。屋外での押込み試験により周面摩擦抵抗を調べると共に,地盤補強型基礎の補強メカニズムの分析,評価を行った。さらに,地盤補強型基礎工法の押込み支持力評価方法を提案し,その妥当性を検討したので報告する。
  • 山口 嘉一, 安仁屋 勉, 池澤 市郎, 赤松 利之
    2008 年 3 巻 3 号 p. 229-242
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    ダム基礎地盤の透水性は,一般的に,ルジオンテストによって評価される。この試験方法については,「ルジオンテスト技術指針・同解説」(2006年改訂版)が定められている。しかし,この技術指針では,不飽和軟岩地盤における試験に関する具体的な課題である非定常浸透の問題とそれに対する具体的な対策は示されていない。本研究では,この課題を風化軟岩地盤のダムサイトにおける長時間透水試験により明らかにするとともに,飽和-不飽和浸透流解析を組み合わせることにより,適切な透水性評価方法について議論した。その結果,長時間透水試験によるルジオン値(LuLPT)は簡易なルジオンテストである水押し試験のルジオン値(LuWPT)より小さく評価され,今回の試験結果では概ねα(=LuLPT/LuWPT)=0.1~0.5の範囲となった。また,飽和-不飽和浸透流解析により,長時間透水試験における非定常浸透の傾向を概ね再現できることを確認した。
  • 山根 信幸, 深沢 健, 平林 弘, 土田 孝, 坂井 彰, 藤原 辰彦
    2008 年 3 巻 3 号 p. 243-259
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    海上工事等の施工管理に用いられている深浅測量は,これまで主として海底地盤の形状把握や施工の出来形計測等に用いられ,それ以外の目的で施工管理に積極的に使用されることは少なかった。筆者らは,GPS測位機やナローマルチビーム(NMB)音響測深機等の計測機器を組合わせ,軟弱地盤上での埋立造成工事における施工層厚・沈下量および施工履歴や地盤の単位体積重量等をリアルタイムに取得可能な施工管理システムの開発を行い,大規模人工島造成工事に適用した。その結果,施工区域全域において施工層厚は±30cm,海底地盤の沈下は±15cmの精度で管理しながら施工できることを確認した。また,最大粒径300mmの岩砕材を用いた埋立地盤の平均的な水中単位体積重量は12.2kN/m3程度であり,その変動係数は0.11であった。更に,本システムで得られた施工途中における埋立地内の沈下データから海底地盤の圧密定数を逆算したところ,得られた圧密定数は施工前に実施した圧密試験から得られる値の範囲とほぼ一致し,設計に用いた圧密定数の妥当性を確認できた。
  • 崔 瑛, 岸田 潔, 木村 亮
    2008 年 3 巻 3 号 p. 261-272
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    地形的・線形的な制約により,小土被りの未固結地山でのトンネルの建設が数多く進められている。これらの建設現場では,地表面とトンネルが同時に同程度沈下するとも下がり現象が報告されており,沈下の抑制が重要な課題となる。その対策工法のひとつとしてサイドパイル補助工法が用いられ効果を発揮しているが,そのメカニズムについては未解明の部分が多い。本研究では,模型実験および模型実験に対する数値解析を実施し,長さおよび設置間隔がサイドパイルの地表面沈下抑制効果に及ぼす影響について検討を行い,そのメカニズムの解明および各パラメータの選定方法の検討を行った。結果として,サイドパイルはせん断補強効果および荷重再配分効果による沈下抑制効果を発揮し,とも下がり現象を軽減することが確認された。
ノート
  • 北村 明洋, 福田 光治, 木村 亮
    2008 年 3 巻 3 号 p. 273-285
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2008/09/30
    ジャーナル フリー
    補強材にチェーンを用いた補強土壁を開発するために,土槽を用いた室内チェーン引抜き試験および実物大試験施工を実施した。チェーンの形状効果を知るための引抜き試験では,引抜き抵抗はチェーン個々のリンク形状や材質よりもチェーン外径に大きく依存することがわかった。その結果チェーン外径の数倍の円筒を想定した円筒理論によって引抜き抵抗が評価できることを確認した。また,引抜き試験に使用する材料をチェーンの他に,丸鋼,帯鋼,突起付き帯鋼を加え摩擦補正係数の比較を行った。チェーンの摩擦補正係数は,丸鋼に対し2.2倍,帯鋼に対し3.8倍,突起付き帯鋼に対しても1.9倍大きく,有効な引張り補強部材になることがわかった。これらの室内試験結果をふまえて,工法全体の施工性を確認しチェーン補強材の有効性を実証するため,フィールドにおいて高さ3.0mの実物大補強土壁を構築するとともに,原位置引抜き試験を行ないチェーンの引抜き性能を確認した。
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