本論文では, 導電性ゴムを用いたひずみ計測方法を提案している。ひずみ計測を行うにあたり, 計測される抵抗値に影響を与える要因として考えられる, 温度変化による影響, 発熱による影響, ゴムの変形特性の影響, 導電性ゴムの変形速度変化による影響についてそれぞれ検証した。さらに実際に岩石供試体を用いて, 導電性ゴムとひずみゲージによるひずみ計測を行い, 導電性ゴムによるひずみ計測方法の適用性を検討した。その結果, 導電性ゴムの抵抗値とひずみには線形的な関係を示す範囲が存在し, その範囲は岩石供試体が破壊するまでの変形挙動を評価するのに十分なものであることがわかった。また導電性ゴムの変形特性が計測される抵抗値に強く影響することがわかった。本手法は, ひずみゲージでは計測困難な破壊後の大きな変形に対しても適用でき, またゴムの低剛性により, 土などの軟らかい材料にも適用できる可能性のある新たなひずみ計測方法であると考えられる。
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