本論文では, 先端に切断機構をもつ新型除去式アンカー工法の開発について, 開発内容および施工実績をもとにした工法検証結果について述べ, 開発した新工法により, 従来行われていた除去式アンカーの持つ問題点を克服することが出来たことを明らかにしている.すなわち, PC鋼より線の切断能力は高く,低荷重にて鋼線切断が可能であること, アンカー引抜き張力が従来工法の20% 程度であること, 25mを越える長尺アンカーの除去能率は従来工法の4倍以上であること, 引抜き鋼線の跳ね上がり現象が発生しないこと, 除去作業時の安全性が著しく向上すること, および引抜き鋼線のスクラップとしての再利用が容易となったこと, である.
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