札幌市の豊平川下流部では,治水安全度の向上を図るため,河川内の高水敷を下げる計画である。通常は,掘削により下げるが,掘削土の処分量を低減する目的で,盛雪荷重と負圧の併用による軟弱地盤の減容化施工を実施した。地盤は,表層部約3mが高含水比の泥炭層である。本文では,盛雪の築造方法,盛雪荷重と負圧による減容化効果,実測沈下と一次元圧密理論あるいはFEM解析との比較,および盛雪の剛性が沈下に与える影響などについて考察し,次の結論を得た。(1)築造した盛雪の密度は0.7g/cm
3程度であった。(2)盛雪荷重と負圧は両者とも圧密荷重として有効である。(3)盛雪の剛性および地盤表面の凍土の影響を考慮すると,実測沈下とFEM解析の結果はよく一致した。最後に,減容化量を最大にするための方策を提案した。
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