地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
7 巻 , 4 号
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論文
  • 山下 聡, 出羽 寛信, 八久保 晶弘, 南 尚嗣, 片岡 沙都紀, 川口 貴之, 坂上 寛敏, 高橋 信夫, 庄子 仁
    2012 年 7 巻 4 号 p. 503-516
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    表層型ガスハイドレートが存在しているオホーツク海サハリン島沖およびロシア・バイカル湖において,海底・湖底表層地盤から堆積土を採取した。採取した堆積土に対して,調査船上で小型のベーンせん断試験とコーン貫入試験を行い堆積土の力学特性を調べた。また,試料引き上げ時の間隙水圧減少により,溶存ガスが気泡化し試料に乱れが生じることから,ガス濃度と強度との関係についても調べた。さらに,試料採取から室内試験に至るまでの応力条件を再現した実験を行った。その結果,間隙水中の溶存ガスの濃度が高いほど,船上試験においても再現実験においても強度低下が大きくなる傾向にあった。また,溶存ガスの気泡化により乱れた試料からも,乱れの影響のない強度をある程度推定可能であることも示された。
  • 矢島 寿一, 武藤 優, 亀井 健史
    2012 年 7 巻 4 号 p. 517-525
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    近年,建設現場から発生する廃石膏ボードの処分方法が問題となっている。また,建設発生土の処分方法も従来からの問題である。そこで本研究では,廃石膏ボードから再生した半水石膏と建設発生土の両者を流動化処理という方法を用いて有効利用できないかと考え,関東ローム,高炉セメントB種,半水石膏,水を混合した流動化処理土を作製し,フロー試験による流動特性,一軸および三軸圧縮試験による力学特性を検討している。さらに,この流動化処理土の地盤環境への適用を考え,六価クロム,フッ素,ホウ素の溶出特性を検討している。その結果,流動特性は練混ぜ後1時間までは十分な流動性を確保することができ,力学特性についても配合条件により200kN/m2以上の強度を有することが判明した。そして,環境面でも六価クロム,フッ素,ホウ素の溶出量は土壌環境基準値以下であることが明らかとなった。
  • 宇高 薫, 土田 孝, 渡部 要一, 田中 政典, 今井 遥平
    2012 年 7 巻 4 号 p. 527-542
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    堆積中にセメンテーション作用などによって形成された高い間隙構造を保持する自然堆積粘土のe-log p関係について,圧密圧力が十分に大きい時に収れんする圧縮曲線を基に,初期の構造の大きさを表現するパラメータを導入した簡易なモデルを提案した。10種類の海成粘土のe-log p関係に提案式を当てはめたところ,当てはめは良好であった。提案式のパラメータにより構造の影響を小さい順に区分IからIVの4つに分類した結果,わが国の沖積粘土は区分IIに近いIIIに分類された。大阪湾泉州沖の洪積粘土は区分IVに近いIIIであり,構造の影響が大きいことが定量的に示された。
  • 野々山 栄人, 沢田 和秀, 森口 周二, 八嶋 厚, 伊藤 和也
    2012 年 7 巻 4 号 p. 543-555
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    掘削に伴う斜面崩壊のメカニズムを解明するために,実大規模斜面掘削実験が数多く行われてきた。本論文では,Lagrange型のメッシュフリー法であるSPH法を用いて,実大規模実験の掘削初期から崩壊に至るまでの一連の過程の再現を試みた。SPH法は,連続体力学の枠組みで,地盤材料の構成式に基づいて,地盤の大変形を表現できる解析手法である。まず,解析手法の検証として,SPH法による斜面の安定解析を実施し,Fellenius法より得られた安全率による評価結果と比較し,妥当な結果が得られることを確認した。実大規模実験の再現解析では,実験と同様に段階的な斜面の掘削を行い,各掘削段階の斜面の挙動を再現した。特に,掘削開始から崩壊までの変形挙動に着目し,実験結果と解析結果を比較した結果,妥当な結果が得られ,解析手法の有効性を確認した。
ノート
  • 伊藤 陽司, 伊深 憲利, 山下 聡, 中村 大
    2012 年 7 巻 4 号 p. 557-565
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    北海道東部,オホーツク地域の中核都市である北見市の中心住宅地となっている火山灰台地を対象として,新旧の地形図の比較判読や撮影年の異なる空中写真の立体視判読による地形および土地利用の移り変わりから埋立地盤の存在を把握し,そして独自に構築している地盤情報データベースを活用してそれら埋立地盤の性状を検討した。今日では平坦な地形面を呈し,住宅密集地となっている対象地域には1970年代前半から急速に進展した沢や湿地の埋立によって造成された地盤が内在し,そのような埋立地盤はN値および地下水位の状況からみて非常に脆弱な状態にあることが明らかとなった。このような地盤性状の場は全国の都市域,とくに丘陵~台地の住宅地域に潜在していることは容易に推定でき,さまざまな地盤問題の要因となり得る。地盤の成り立ちを把握し,地震時だけでなく日常の中でも脆弱な地盤性状に起因した上水道,下水道や都市ガスといった地下埋設ライフラインの劣化・損壊が起こり得ることを想定した対策が望まれる。
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