地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
7 巻 , 3 号
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論文(一般投稿)
  • 土田 孝, 湯 怡新
    2012 年 7 巻 3 号 p. 435-447
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    港湾の浚渫土を原料土とするセメント固化処理土に関する強度推定式を提案した。提案式はセメント硬化体の強度理論であるゲル空隙比説と類似性があり,セメント処理土の強度はセメントを含めた体積固体分率,セメントによる強度増加係数,セメント処理土の間隙構造が強度に及ぼす効果を示す定数N,固体分全体に対するセメントの質量比率で与えられる。提案式をわが国の6箇所の海成粘土を用いた配合試験結果に適用した結果,Nの値を3.5~4.5の範囲で設定することにより高い相関係数で強度を予測できた。浚渫粘土を用いた気泡混合処理土と発泡ビーズ混合処理土の強度に関しても,Nを2.1~2.5の範囲で設定することで適用できることがわかった。
  • 藤原 優
    2012 年 7 巻 3 号 p. 449-465
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    グラウンドアンカー(以下,アンカー)は,昭和63年に旧土質工学会(現在の地盤工学会)の基準が改訂されて以降,防食機能が改善されたアンカーが採用されている。基準改訂前のアンカーは,引張り材の腐食などが懸念されるものの,アンカーは大部分が地中に埋設されており引張り材の腐食や変形などを直接確認することが困難な状態にある。本研究は,施工後約35年が経過したアンカーを対象としてリフトオフ試験や掘り起こし調査などを実施し,腐食の発生したアンカーの健全性評価における留意点について提案を行った。
  • 福島 伸二, 北島 明
    2012 年 7 巻 3 号 p. 467-478
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    老朽化したフィルダムやため池の堤体改修では,調査設計段階において既設堤体の現況安定性を把握するために標準貫入試験が実施されるものの,試験数は新設の場合に比較すると限定的で不十分な場合が多い。標準貫入試験の実施数不足を補うための調査法として,標準貫入試験よりも小型・軽量・自動化により省力化され,かつエネルギー換算的に標準貫入試験結果と良い相関のある試験結果が得られる小型動的自動貫入試験の適用が考えられる。本稿は改修工事中のフィルダムやため池の既設堤体で小型動的自動貫入試験を標準貫入試験と同一地点で実施し,試験結果の比較から小型動的自動貫入試験が標準貫入試験の補完調査に適用できることを示した。
  • 稲積 真哉, 大津 宏康, 磯田 隆行, 宍戸 賢一
    2012 年 7 巻 3 号 p. 479-489
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    我が国では,廃棄物のリサイクルが推進されているが様々な障害が考えられる。本研究では建設系廃棄物の内,再資源化が進んでいない建設汚泥のリサイクルに着目している。建設汚泥のリサイクル材は,バージン材に比べて再資源化処理におけるコストが高額になり,また処理に要する時間による工期の遅れや需給のバランスが難しい。そこで,コストと環境負荷を考慮した環境影響評価・環境会計手法に時間ファクターを加えて建設汚泥のリサイクルの有用性を環境経済学的に評価する。
ノート
  • 秋山 克, 川﨑 了
    2012 年 7 巻 3 号 p. 491-501
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    リン酸カルシウム化合物(CPC)を用いた新しいグラウトによる改良地盤の強度を向上させることを目的として,CPCケミカルグラウト(CPC-Chem)に4種類の粉末を種結晶として添加し,作製した砂供試体の一軸圧縮強さの測定を実施した。また,それらの供試体を用いて,走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。CPC-Chemにリン酸三カルシウム粉末あるいは炭酸カルシウム粉末を添加して用いた場合には,砂供試体の一軸圧縮強さが顕著に増加し,それぞれ最大で261.4kPa,209.7kPaに達した。一方で,CPC-Chemを加えずに砂質量の10%の粉末のみを添加した場合は,脱イオン水の添加のみの一軸圧縮強さ(10.0kPa)と同程度に留まった。SEM観察からは,リン酸三カルシウム1%および5%添加,あるいは炭酸カルシウム1%添加の供試体において,多孔状あるいは網状の三次元的な構造が砂粒子表面上および粒子間において観察された。しかし,リン酸マグネシウムあるいは炭酸マグネシウムを添加した供試体では,それらの明瞭な構造は観察されなかった。本研究の結果は,CPC-Chemによる地盤改良材の飛躍的な性能向上に粉末の添加,特にリン酸三カルシウムならびに炭酸カルシウムの添加が有効であることを示している。
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